新・ことば事情
4672「ぞぞけ」
京都出身でアメリカ在住のI先輩から「平成ことば事情4663おこると いいことない」の感想がメールで届きました。"相田みつをみたい"というふうに書いたところに関して、
「ほんまやなあ。しかし、相田みつをの詩って、ぞぞけ立つなあ...」
と思ったと。そして、
「この『ぞぞけ』っていったい何だろうか?」
と改めて疑問に思ったそうです。グーグルで検索したら、名古屋弁だとか岡山弁だとか、土佐弁だとかいろいろ出て来るが、本当のところは?そもそも「ぞぞ気」の、
「ぞぞ」
とは?「ぞっと」の「ぞ」かな??卒倒の「卒」(にわかに)と関係あるのかな?というご質問です。
「ぞぞけ」は、私はあまり使いませんが、ニュアンスは分かります。そこで、『大阪ことば事典』(牧村史陽)を引いてみると、「ぞぞけたつ」が載っていました!
*「ぞぞけたつ(逆毛立つ)」=ぞっと身の毛がよだっておそろしく思うさまにいう。「ゾゾ」は「サムザム(寒々)」が訛って「ゾンゾ」となり、さらにンが略されたものである。オゾケ(怖気)の転訛ともいうが当たらない。
「サムザム(寒々)」が「ゾンゾ」で「ゾゾ」ですか。寒いと唇が縮こまって、「サ」としっかり発音できずに「ゾ」になったのでしょうか?「ア」の母音より「オ」の母音のほうが、口はあけなくてすみますね。漢字では「ぞぞけ」に、
「逆毛」
を当てているのですね
そのように返したところ、
「さっそく、ありがとうございます!疑問が氷解。しかし、『さむざむ』が『ぞぞけ』になるとは、想像もできませんでした。 教えてくれてありがとう。」
というお礼のメールが。こちらこそ、ネタの提供、ありがとうございます。
しかしそれにしても「ぞぞけ」は、
「ぶぶづけ」
のような濁音の響きですねえ・・・。京都らしいといえば京都らしい。あ、「大阪言葉」か。「関西言葉」ということで。