新・ことば事情
4670「洗脳とマインドコントロール」
「洗脳」と「マインドコントロール」
この2つの言葉を、これまで「同じような意味」として使ってきましたが、「ミヤネ屋」ご出演の飯星景子さんから、
「意味(ニュアンス)が違う」
という指摘があったそうです。
辞書等で調べてみますと、「洗脳」は、
「(捕虜などになった外国人に対し、当局者が教育を重ねて、共産主義に同調するように思想の改造をしたことから)新しい主義・思想を繰り返し吹き込んだりして、それ以外の考え方を捨てさせること」(『新明解国語辞典』第7版)
とあり、第一次大戦後ころ(1920年代か)に生まれたもののようです。
それに対して、「マインドコントロール」は、
「(和製英語)心を平静に保ったり集中力を高めたりするために、自らの感情を制御すること。また、そのように人を仕向けたりすること。(一部宗教法人や自己啓発セミナー・軍隊など広い領域で取り入れられている)」(『新明解国語辞典』第7版)
とありました。
ここから推察すると、「洗脳」という語彙の広義の中に「マインドコントロール」も含まれているが、
「洗脳」=他者から強制的な思想の押し付けのイメージ
「マインドコントロール」=自ら進んでその考え方に染まるように、他者が上手く仕向けるイメージ
というように、その考え方への「導入部分」に違いがあるように思われます。
そういう意味では、「オセロ・中島さん」のケースは、自ら進んではまっていった感があるので、
「マインドコントロール」
が、より正確な表現ではないかと思いました。