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『道浦TIME』

新・ことば事情

4669「『薪』は『たきぎ』か?『まき』か?」

 

「京都の五山の送り火」で使う「薪」の読み方

「たきぎ」

でしょうか?

「まき」

でしょうか?とディレクターに質問を受けました。実は過去のニュース原稿には

「まき」

ルビが振ってあるのですが、彼は、

「『まき』は『燃料としての薪』の意味しか持たないが、『たきぎ』(=元は「焚き火」)には宗教的なニュアンスが加わるとともに『燃料として焚くのではない』というニュアンスもある」

と感じて「まき」に疑問を持ったようです。

私も彼と同じ意見でした。しかし、辞書を引いても「まき」と「たきぎ」の明確な違いを書いたものがありません。

ちなみに「薪」は常用漢字ですが、常用訓は「たきぎ」のみ。「まき」は表外訓です。

もしかしたら「京都」の現地では「まき」と呼ぶのかもしれない。

そこで、「京都」に詳しい同志社OBの知人に聞いてみたところ、以下のような返事が。

 

「『まき』と読むそうです。京都の裏千家にいる知人に尋ねたところ『京都五山送り火保存会連合会事務局』に問い合わせてくれました。『薪』を井桁(いげた)に組んで護摩木(ごまぎ)に火をともし、それで薪に点火するそうです。」

 

と、意外や意外、「京都五山送り火」に関しては「薪」の読み方は、

「まき」

だということです。またひとつ、勉強になりました!

ぜひ国語辞典も、この違いを載せてほしい!

 

 

(2012、3、15)

2012年3月23日 18:39 | コメント (0)