新・ことば事情
4666「女芸人」
3月7日の「ミヤネ屋」の「ニューススクラップ」で紹介した「夕刊フジ」の記事の中の言葉で、
「女芸人」
は、ちょっと引っかかりました。よく使われる言葉なので「許容」だとは思うけど・・・とスタッフへの連絡メールに放送後に書いて送ったら、翌日の放送で出てきたスーパーは、
「女性芸人」
になっていました。「女性」ということがポイントでなければ、単に、
「芸人」
とすればいいのですが、そこはやはり「女性」に区切った視点が必要なのでしょう。
ちなみにこれは、もちろん「オセロ」の中島知子さんに関するものでした。
昔は「女性警察官」のことを、
「婦人警官」
といい、さらに略して親しみを込めて、
「婦警さん」
と読んでいたものですが、もうすっかり放送ではそういう言い方はなくなりました。
「婦人」はダメということで、最初は、
「女性警察官」
という言い方をしていましたが、よく考えてみると、「女性」と付ける必要がないシーンも結構あったので、単に、
「警察官」「警官」
になってきたようです。
一方で、きょう(3月15日)の読売テレビのお昼のニュースで、15日午前5時半ごろ、兵庫県尼崎市の県道で、
「兵庫県警のミニパトが、72歳の女性をはねて重傷を負わせた」
(30年前なら「老婆」とされ、20年前なら「おばあさん」10年前なら「お年寄り」とニュースで表現されたことでしょう)
というニュースを放送していましたが、この「ミニパト」を運転していたのは、男性警察官でしょうか?女性警察官でしょうか?
ニュースでは、
「運転していた46歳警部補は『歩行者を発見するのが遅れた』と話している」
と「年齢と階級」は報じられましたが、「46歳警部補」が男性か女性かの情報は、ありませんでした。「ミニパト」の印象では「女性警察官」のようにも思えますが、わかりません。
報道のデスクに聞いたところ、
「男性警察官」
だそうです。「ミニパト」=「女性警察官」という思い込みも、訂正しなくてはなりませんね。