新・ことば事情
4658「『その時』のアクセント」
「ミヤネ屋』スタッフからアクセントの質問を受けました。
「『その時』のアクセントは、『ソ/ノト\キ』でしょうか?それとも『ソ/ノトキ』でしょうか?」
「うーん、関西弁だと『ソノト\キ』だけど、標準語アクセントだと2語に分けて『ソ/ノ・ト/キ』じゃないかな。でも強調するときは『ソ/ノト\キ』ということもあるなあ。最近は東京の人でも、関西風に読んでいる人が多いよ」
実は私のこの「その時」のアクセントには悩んでいたのです。私は2語に分けて、
「ソ/ノ・ト/キ」
だと思うのですが、最近耳にするのは、ほとんど、
「ソ/ノト\キ」
だからです。スタッフの質問に答えたあとに、
「そうか!」
とひらめきました。
そうかそうか、「ソ/ノト\キ」というアクセントは「1語」、つまり、
「複合語のコンパウンド」
が働いているんだ!「1語意識」の強い人は、そういうアクセントになる。強調形もしかり。それが関西弁のアクセントと同じように「ト」に山があって「キ」で下がるので、似ているように聞こえるわけだ。
(関西弁) ソノト\キ
(1語意識)ソ/ノト\キ
私のように、基本「その」「時」の「2語」として意識すると、
「ソ/ノ・ト/キ」
となるわけですね。どちらも間違いじゃないんですね。謎が解けました!