新・ことば事情
4655「雀右衛門のアクセント」
人間国宝の女形・中村雀右衛門さんが亡くなりました。91歳。
歌舞伎に詳しいわけではないので、あまり存じ上げなかったのですが、ご長命ですね。
さて、ここで問題は「歌舞伎役者の名前の読み方」です。
「(中村)雀右衛門」「(尾上)菊五郎」の読み方(アクセント)は、「これが絶対!」ではないと思いますが、おそらく、
×「キ/ク\ゴロー」(中高)→○「キ/クゴロー」(平板)
×「ジャ/ク\エモン」(中高)→○「ジャ/クエモン」(平板)
だと思います。同じような名前では、「(中村)歌右衛門」「(板東)三津五郎」が、
×「ウ/タ\エモン」(中高)→○「ウ/タエモン」(平板)
×「ミ/ツ\ゴロー」(中高)→○「ミ/ツゴロー」(平板)
と「平板アクセント」です。
「アッと驚くタメゴロー」は「タ/メ\ゴロー」(中高)ですが、歌舞伎の世界のアクセントは違うようです。
「(片岡)仁左衛門」については、ご本人が関西の方で、ご自分の名前を話しているのを聞いたことがあります(テレビで)が、
「ニ/ザ\エモン」(中高)、「ニ/ザエモン」(平板)
両方のアクセントを使ってらっしゃいました。
また、「(市川)海老蔵」について、梨園(りえん)の方は、
「エ/ビゾ\ー」(中高)
と最後は音を下げると、これは以前、タレントの松尾貴史さんがおっしゃってました。