新・ことば事情
4649「浪費癖の読み方」
「ミヤネ屋」のナレーターの松尾さんに、
「浪費癖」
の「癖」の読み方を尋ねられました。そりゃあ、
「ヘキ」
でしょう。「寝癖」なら「グセ」ですが。どうやら担当ディレクターは、
「グセ」
だと思っていたそうで、松尾さんにも「グセ」で読むように言ってきたそうです。
「癖」の上に来るものが「和語」なら「クセ(グセ)」ですが、「漢語」ならば「ヘキ」というのが原則です。『広辞苑』では、
*「ヘキ」=悪癖(あくへき)、完全癖、奇癖、古癖(こへき)、嗜癖(しへき)、詩癖、邪癖、収集癖、習癖(しゅうへき)、酒癖(しゅへき)、晶癖(しょうへき)、書癖(しょへき)、性癖(せいへき)、通壁(つうへき)、盗癖(とうへき)、病癖、洋癖、浪費癖
*「グセ」=歌癖、女癖、書き癖、着癖、口癖、心癖、抱き癖、出癖、怠け癖、寝癖、負け癖、悪癖(わるぐせ)
というように使い分けられています。
このうち「酒癖」は「しゅへき」「さけぐせ」、「盗癖」は「とうへき」「ぬすみぐせ(盗み癖)」、「悪癖」は「あくへき」「わるぐせ」など(送り仮名は違いますが)、どちらの読み方もできるものもありますね。