新・ことば事情
4646「『やまほこ』か『やまぼこ』か」
<2010年9月6日に書きかけました>
(わあ、もう2か月近く経ってしまった!早いなあ・・・)
2010年7月14日の読売新聞夕刊に、
「『やまほこ』国際標準に」
という見出しの記事が出ていました。京都・祇園祭の、
「山鉾」
の読み方なのですが、アナウンサーの間では長年、
「やまほこ」か「やまぼこ」と濁るのか
が悩みの種。放送局の系列によって「濁る・濁らない」が違っていたりします。関西の局の間の話ですが。(読売テレビは「やまほこ巡行」。濁りません。)つまりどちらも「あり」といえば「あり」なのですが、地元・京都でも、
「聞く人によって違う」
のですから難しい。
その論争に終止符が打たれるかもしれない?というのがこの記事。それによると、
「2009年9月にユネスコの無形文化遺産に登録された『京都祇園祭の山鉾行事』は英文表記で、
『yamahoko』
祇園祭山鉾連合会もパンフレットの英文を『HOKO』で統一するなど、
『やまほこ』を"国際標準"
としたためだ。」
とあります。さらに、
「祇園祭は平安時代、流行した疫病の退散を祈る御霊会(ごりょうえ)として始まったとされる。山鉾の読みや表記は、鎌倉時代末期から江戸時代までの『八坂神社文書』で『鉾』を『ほく』と記しており、これが『ほこ』に転じたとみられている。こうした歴史を踏まえて、1992年には当時の山鉾連合会会長が、祭りを執り行う八坂神社と協議し、
『やまほこ』
で統一すると決めたが、山鉾の各保存会が『広く使われる言い方は「やまぼこ」』と反発、決定が覆った経緯がある。以後、八坂神社は『ほこ』に統一したが、再び混在した状態が続いていた。』
ということ。
うーん、これはまだまだ落ち着かないみたいですねえ。だって、
「ローマ字表記は、振り仮名ではない」
ですからね。あくまで、海外に向けて英語で読む際の読み方に過ぎないわけですから。日本語の連濁とは別次元の話ですね。
あれから2回、「祇園祭」がありましたけど、今年はどうなるのやら・・・。