Top

『道浦TIME』

新・ことば事情

4673「【警告】悪質業者にご注意下さい!!」

 

 

最近送られてきた「スパムメール」のタイトルが、

 

【警告】悪質業者にご注意下さい!!

 

文面は、

 

「最近、かなりの数で悪質な会社が増加しています。この業者には特徴があるので私なりに特徴を調べました。ですが、しっかりとしたサポートをしてくれる業者もあります。私は、これで毎月30万円?50万円ほど稼いでますがモニターとして参加しているので無料で実践できました。もし、あなたが明日、現金が欲しいなら参加することをお勧めします。※ 残り枠13名で終了です。」

 

これは・・・

 

まさにあんたが「悪質業者」じゃないか!

 

いつも思うんですが、引っかかる人っているのかなあ・・・いるからこうやって次々と来るんだろうけどなあ・・・。

呆れつつ、感心します。皆さんご注意ください。

 

(2012、3、21)

2012年3月29日 10:27 | コメント (0)

新・ことば事情

4672「ぞぞけ」

 

京都出身でアメリカ在住のI先輩から「平成ことば事情4663おこると いいことない」の感想がメールで届きました。"相田みつをみたい"というふうに書いたところに関して、

「ほんまやなあ。しかし、相田みつをの詩って、ぞぞけ立つなあ...」

と思ったと。そして、

「この『ぞぞけ』っていったい何だろうか?」

と改めて疑問に思ったそうです。グーグルで検索したら、名古屋弁だとか岡山弁だとか、土佐弁だとかいろいろ出て来るが、本当のところは?そもそも「ぞぞ気」の

「ぞぞ」

とは?「ぞっと」の「ぞ」かな??卒倒の「卒」(にわかに)と関係あるのかな?というご質問です。

「ぞぞけ」は、私はあまり使いませんが、ニュアンスは分かります。そこで、『大阪ことば事典』(牧村史陽)を引いてみると、「ぞぞけたつ」が載っていました!

*「ぞぞけたつ(逆毛立つ)」=ぞっと身の毛がよだっておそろしく思うさまにいう。「ゾゾ」は「サムザム(寒々)」が訛って「ゾンゾ」となり、さらにンが略されたものである。オゾケ(怖気)の転訛ともいうが当たらない。

「サムザム(寒々)」が「ゾンゾ」で「ゾゾ」ですか。寒いと唇が縮こまって、「サ」としっかり発音できずに「ゾ」になったのでしょうか?「ア」の母音より「オ」の母音のほうが、口はあけなくてすみますね。漢字では「ぞぞけ」に、

「逆毛」

を当てているのですね

 

そのように返したところ、

「さっそく、ありがとうございます!疑問が氷解。しかし、『さむざむ』が『ぞぞけ』になるとは、想像もできませんでした。 教えてくれてありがとう。」

というお礼のメールが。こちらこそ、ネタの提供、ありがとうございます。

しかしそれにしても「ぞぞけ」は、

「ぶぶづけ」

のような濁音の響きですねえ・・・。京都らしいといえば京都らしい。あ、「大阪言葉」か。「関西言葉」ということで。

 

 

 

(2012、3、20)

2012年3月28日 21:26 | コメント (0)

新・ことば事情

4671「おにご」

 

小学1年生の娘が、

「学校でな、『おにご』めっちゃ人気あんねん」

「?『おにご』って・・・あ、もしかして『おにごっこ』のこと?」

「そう!」

と、こともなげに答えます。「おにごっこ」は「おにご」かあ。

アクセントはやはり関西なので、「3拍中高」で、

「お/に\ご」

です。「お/な\べ」と同じアクセントです。

アクセントパターンというのは、言葉が変わっても根強く伝わるのだなあと感じた一語でした。『広辞苑』で「おにご」を引くと、

「おにご(鬼子)」=①親に似ていない子。おにっこ。②鬼のように荒々しい子。③歯が生えて生まれてきた子

3つの意味が載っていますが「おにごっこの略」は載っていません。

ちなみにGoogle検索では(3月19日)、

「おにご・おにごっこ」=18万9000

でした。ただ「おにごっこ」の意味での「おにご」単体での使用は少なそうです。その中で愛知県半田市・大府市・常滑市の「EISUゼミナール」という学習塾のサイトで、小中学生の部の田中先生という女性の先生が201163「おにご」というタイトルで、

「このタイトル(=おにご)なんだと思いますか?西校の小学5年生が何のことか教えてくれました『おにご=おにごっこ』なんだそうです。『え!そうなの?』とびっくりしていたら、『遅れてる・・・・』と厳しいお言葉をいただきました。言葉っておもしろいですね。」

と書いていました。まさにこれだ!愛知県の小学生も「おにご」なのか!

また、「香川県高松市勅使町にある西山自動車のスタッフの日記」にも、20121に、

「昨日は、雨にも負けず、野球少年たちは、練習しとりました!体育館で、バッティング練習した後に、バスケと『おにご。』(おにごっこ)。笑える。いつもと違うスポーツをしてるんで、いろんな発見がありますね。」

「おにご」が出てきました。香川県もか!

さらにさかのぼると、2009年7月7日、和歌山市のPick Sports Group(ピックスポーツグループ:代表者=平井敏喜氏)のサイトにも、

「『おにご』・・・今日は僕もレッスン終了後に『おにごっこ』しました。鬼ごっこも自分たちでいろんなルールを作って遊びます。しかし最近の小学生ルールって、僕の時代のルールとかなり違いがあるようです。ドッジボールや鬼ごっこ、結構わからないことが多いです。。。」

「おにご」が登場していました。和歌山も・・・。西日本に多いようですね「おにご」。

 

ちなみにうちの娘によると、「追い掛けるほう(=鬼)」が人気で、娘が「鬼」のときは、「わざとこけたりして鬼になろうとしている人」には「タッチしない」のだそうです。

 

 

 

(2012、3、19)

2012年3月25日 12:32 | コメント (0)

新・ことば事情

4670「洗脳とマインドコントロール」

 

「洗脳」と「マインドコントロール」

 

この2つの言葉を、これまで「同じような意味」として使ってきましたが、「ミヤネ屋」ご出演の飯星景子さんから、

「意味(ニュアンス)が違う」

という指摘があったそうです。

辞書等で調べてみますと、「洗脳」は、

「(捕虜などになった外国人に対し、当局者が教育を重ねて、共産主義に同調するように思想の改造をしたことから)新しい主義・思想を繰り返し吹き込んだりして、それ以外の考え方を捨てさせること」(『新明解国語辞典』第7版)

とあり、第一次大戦後ころ(1920年代か)に生まれたもののようです。

それに対して、「マインドコントロール」は、

「(和製英語)心を平静に保ったり集中力を高めたりするために、自らの感情を制御すること。また、そのように人を仕向けたりすること。(一部宗教法人や自己啓発セミナー・軍隊など広い領域で取り入れられている)」(『新明解国語辞典』第7版)

とありました。

ここから推察すると、「洗脳」という語彙の広義の中に「マインドコントロール」も含まれているが、

「洗脳」=他者から強制的な思想の押し付けのイメージ

「マインドコントロール」=自ら進んでその考え方に染まるように、他者が上手く仕向けるイメージ

というように、その考え方への「導入部分」に違いがあるように思われます。

そういう意味では、「オセロ・中島さん」のケースは、自ら進んではまっていった感があるので、

「マインドコントロール」

が、より正確な表現ではないかと思いました。

 

 

(2012、3、8)

2012年3月24日 12:31 | コメント (0)

新・ことば事情

4669「『薪』は『たきぎ』か?『まき』か?」

 

「京都の五山の送り火」で使う「薪」の読み方

「たきぎ」

でしょうか?

「まき」

でしょうか?とディレクターに質問を受けました。実は過去のニュース原稿には

「まき」

ルビが振ってあるのですが、彼は、

「『まき』は『燃料としての薪』の意味しか持たないが、『たきぎ』(=元は「焚き火」)には宗教的なニュアンスが加わるとともに『燃料として焚くのではない』というニュアンスもある」

と感じて「まき」に疑問を持ったようです。

私も彼と同じ意見でした。しかし、辞書を引いても「まき」と「たきぎ」の明確な違いを書いたものがありません。

ちなみに「薪」は常用漢字ですが、常用訓は「たきぎ」のみ。「まき」は表外訓です。

もしかしたら「京都」の現地では「まき」と呼ぶのかもしれない。

そこで、「京都」に詳しい同志社OBの知人に聞いてみたところ、以下のような返事が。

 

「『まき』と読むそうです。京都の裏千家にいる知人に尋ねたところ『京都五山送り火保存会連合会事務局』に問い合わせてくれました。『薪』を井桁(いげた)に組んで護摩木(ごまぎ)に火をともし、それで薪に点火するそうです。」

 

と、意外や意外、「京都五山送り火」に関しては「薪」の読み方は、

「まき」

だということです。またひとつ、勉強になりました!

ぜひ国語辞典も、この違いを載せてほしい!

 

 

(2012、3、15)

2012年3月23日 18:39 | コメント (0)

新・ことば事情

4668「間近と直近」

 

3月9日の「ミヤネ屋」で「原発のすぐ近く」という意味

「原発間近」

なのか?

「原発直近(ちょっきん)

なのか?という疑問が出ました。結果的には、

「間近」

にしました。当初「間近」は、

「時間的に近い」

というイメージがあったのですが、辞書を引くと、

「『間近』は、『時間』も『距離』もどちらも『近い』意味で使う」

ようです。

一方「直近」は、あまり小さな辞書には載っていなくて、載っているものの用例を見ると、「『時間』が近いことを表している」

ようでした。今回は「距離が近い」意味だったので、

「原発間近」

としました。

 

(2012、3、15)

2012年3月22日 18:28 | コメント (0)

新・読書日記 2012_047

『まじめの罠』(勝間和代、光文社新書:2011、10、20初版第1刷・2012、1、5第4刷)

 

ちゃんとなんとか読めたのは全193ページ中で75ページまでと168ページから最後まで。あとは・・・。740円ブラス税・・・か・・・。考え方が違いすぎるので、なんともコメントできません。☆半分です。

 

 

 


star1

(2012、3、11適当に読了)

2012年3月22日 12:07 | コメント (0)

新・ことば事情

4667「雑炊とおじや」

 

きのうの夕飯のメニューは、「雑炊」でした。出てきたものを見ると、私の目には、

「おじや」に見えました。ここで問題。

「雑炊とおじやの違い」は?

うーん、私の答え・・・というほどはっきりわかっているわけではないですが、「おじや」は「幼児語」ですかね。口頭語・俗語的。一方「雑炊」は「書き言葉」的、硬い言葉。「雑炊」は料理として作るしお店でも出るけど、「おじや」は家庭で「なべ料理」を食べたあとに、そのだし汁に卵を落としたりして、あるいはそのままご飯と混ぜて作ったものという感じ。私が一番好きなのは「すき焼き」の後の汁にご飯を入れた「おじや」。「すき焼き」本体よりも、むしろ好きです。これは「雑炊」ではありません。あまり汁気はありません。たしか「おじや」の「じや」は、「ジャー」という擬音語起源ではなかったか?汁物が熱い鍋で立てる音です。

 

ここで辞書を引いてみましょう。『新明解国語辞典』は、

 

*「雑炊」=(「増水」の変化)野菜などを刻みこんで、しょうゆ・みそなどで味つけしたかゆ。おじや。(最近は、魚介・肉類などを入れたものが多い)

*「おじや」=【各地の方言】(味噌などで味をつけた)雑炊。(もと、女性語)。

 

へー、「雑炊」は「増水」からきたの!?水増ししているから?元は「肉や魚介類」は入ってなかったんだ。たしかに「鍋物」の「具」を全部食べてから「だし汁」にご飯を入れて卵でとじたりしますよね、お店では。「おじや」は「幼児語」ではなく「女性語」ですか。「女房詞(ことば)」起源かな?それにしても「各地の方言」なんですか??

 

他の辞書も見てみましょう。『広辞苑』は、

 

*「雑炊」=大根・ねぎなどの具を刻みこみ、味付けをして炊いた粥(かゆ)。おじや。こながき。

 

「こながき」って何?

 

*「こながき」=(1)米の粉をかきまぜて煮立てた羹(あつもの)。(2)雑炊。

 

ふーん。

 

*「おじや」=(「じや」は煮える音)雑炊。

 

やっぱり「じや」は「音」からきたんだ!それにしても意味は「雑炊」って、これじゃあ堂々巡りですねえ・・・・。『明鏡国語辞典』では、

 

*「雑炊」=飯に野菜や魚介を刻み込み、醤油・味噌などで味付けした汁をたっぷり加えてかゆ状に煮たもの。おじや。

*「おじや」=雑炊。 ▲もと女房詞

 

同じような感じですね。「おじや」を引くと「雑炊」と。『精選版日本国語大辞典』は、

 

*「雑炊」=米飯に野菜、魚貝、肉などを入れ、塩、しょうゆ、みそなどで調味してさらりと煮たもの。おじや。おみそう。こなかき。みそうず。ようか。「雑炊」は近世からのあて字。

 

「さらりと煮たもの」というところが「独自解釈」っぽい。「すき焼きのあとのもの」は、「ねっとり」していますから、「雑炊」ではありません!やはり「おじや」です!

ところで「ようか」って何だろう?いくつか「ようか」という単語はありましたが、おそらく「これかな?」というのは、

 

*「ようか」=(歴史的仮名遣いは未詳)「やわか」の変化した語か。

 

ということで、「ようか」=「やわらかいおかゆ」ということなのかな?

 

*「おじや」=(「お」は接頭語)雑炊をいう女性語。みそなどで味をつけて炊き込んだ粥(かゆ)の一種。

 

ということで、「結論」。「雑炊」と「おじや」、料理としては、

「同じもの」

です!!(辞書の解釈では。)

 

 

(2012、3、15)

2012年3月21日 18:27 | コメント (0)

新・読書日記 2012_046

『中国嫁日記2』(井上純一、エンターブレイン:2012、3、22)

 

大学&就活ライターの石渡さんに教えてもらって「めちゃくちゃ売れてて、おもしろいですよ。本屋さんのカウンターに山積みですよ」ということで、即、購入。「1」は読んでないけど「2」から読み始めました。

うーん、たしかに中国人と日本人のカルチャーショックはおもしろいけど、絵のタッチはあまり好きではない感じです。この「2」は、東日本大震災から始まっているので、そういった「つながり」を感じられる意味では、貴重な一冊だと思います。

 

 


star3_half

(2012、3、11読了)

2012年3月21日 12:05 | コメント (0)

新・読書日記 2012_045

『日本人の知らない日本語3』(蛇蔵&海野凪子、メディアファクトリー:2012、3、9)

 

ベストセラーマンガの第3弾。マンガとエッセイがミックスされた本。「相変わらずおもしろく、笑わせてもらったが、さすがに第1弾ほどのインパクトはない」と第2弾のときに書きました。あれから2年・・・。もっと時間がたったような気がします。その間に、読売テレビでなんとドラマ化させていただきました。ありがとうございました。私はまったくタッチしていないのだけど。仲里依沙が主演しました。

雑誌『ダ・ヴィンチ』2012年6月号から日本人の知らない日本語4の連載が始まるらしい。そんなとこで連載していたのか!今回はヨーロッパ編。ヨーロッパで日本語を学ぶ人たちを取材するみたい。

 

 


star3

(2012、3、11読了)

2012年3月20日 19:05 | コメント (0)

新・ことば事情

4666「女芸人」

 

3月7日の「ミヤネ屋」の「ニューススクラップ」で紹介した「夕刊フジ」の記事の中の言葉で、

「女芸人」

は、ちょっと引っかかりました。よく使われる言葉なので「許容」だとは思うけど・・・とスタッフへの連絡メールに放送後に書いて送ったら、翌日の放送で出てきたスーパーは、

「女性芸人」

になっていました。「女性」ということがポイントでなければ、単に、

「芸人」

とすればいいのですが、そこはやはり「女性」に区切った視点が必要なのでしょう。

ちなみにこれは、もちろん「オセロ」の中島知子さんに関するものでした。

昔は「女性警察官」のことを、

「婦人警官」

といい、さらに略して親しみを込めて、

「婦警さん」

と読んでいたものですが、もうすっかり放送ではそういう言い方はなくなりました。

「婦人」はダメということで、最初は、

「女性警察官」

という言い方をしていましたが、よく考えてみると、「女性」と付ける必要がないシーンも結構あったので、単に、

「警察官」「警官」

になってきたようです。

一方で、きょう(3月15日)の読売テレビのお昼のニュースで、15日午前5時半ごろ、兵庫県尼崎市の県道で、

「兵庫県警のミニパトが、72歳の女性をはねて重傷を負わせた」

30年前なら「老婆」とされ、20年前なら「おばあさん」10年前なら「お年寄り」とニュースで表現されたことでしょう)

というニュースを放送していましたが、この「ミニパト」を運転していたのは、男性警察官でしょうか?女性警察官でしょうか?

ニュースでは、

「運転していた46歳警部補は『歩行者を発見するのが遅れた』と話している」

と「年齢と階級」は報じられましたが、「46歳警部補」が男性か女性かの情報は、ありませんでした。「ミニパト」の印象では「女性警察官」のようにも思えますが、わかりません。

報道のデスクに聞いたところ、

「男性警察官」

だそうです。「ミニパト」=「女性警察官」という思い込みも、訂正しなくてはなりませんね。

 

 

 

(2012、3、15)

2012年3月20日 10:26 | コメント (0)

新・ことば事情

4665「連濁はリエゾンと同じ」

 

朝の出勤途中、幼稚園バスを待つこどもが、

「じゃんけん・ほい!」

と言っているのが耳に入りました。

「じゃんけん・ぽい」「じゃんけんぽん」

ではないんだなあ、と思った瞬間ひらめきました。

「連濁はリエゾンと同じだ!」

と。「連濁」と言ってもこの場合は「半濁音」ですが。

「じゃんけんぽい(ぽん)」は、もともとは「じゃんけん『ほい』」なのですが、その前の音が「ん」だから「ぽ」になっているのですね。しかも「ぼ」ではなく「ぽ」ということは、

「『じゃんけん』の最後の『ん』は『N』」

なのです。

しかし、「1語」として「じゃんけんぽい(ぽん)」と認識されていれば「半濁音」になるのですが、「じゃんけん」と「ほい」が独立して「2語」として認識されているならば、「ぽい(ぽん)」とはならずに、単独の「清音」で「ほい」になるということですね。

同じようなことは「リエゾン」でも、あります。

「ライン」と「アップ」をあわせて読むと、「ライン・アップ」ではなく、

「ラインナップ」

になります。「クリーンナップ」も同じです。「クリーン・アップ」ではありません。そう読んだほうが「ツウ」の雰囲気が出ます。

ということは「じゃんけんぽん(ぽい)」と言うほうが、「じゃんけんほい」と言うより「じゃんけんのツウ」だということか。幼稚園児より小学生のほうは「ぽん(ぽい)」という率が高くなっているのではないでしょうか?大人になると逆にあまり「じゃんけん」なんて声に出して言わないから「ぽん」(ぽい)の比率は下がったりして。

でも、どうやって調べればいいのかなあ・・・。

 

 

(2012、3、15)

2012年3月19日 18:06 | コメント (0)

新・ことば事情

4664「大阪都構想の区切り方」

 

「大阪都構想」

この言葉を読むときに、どこで区切ればいいのでしょうか?

「大阪・都構想」

でしょうか・それとも、

「大阪都・構想」

でしょうか?

当然「大阪都」の「構想」なんだから、

「大阪都・構想」

になるはずですが、略して言うと、

「都構想」

ですし、「都」という「構想」の一例が「大阪」であると考えたりすると、また略語が一人歩きすると、元の「大阪都構想」を言うときに、

「あれ?どこで区切ればいいんだっけ?」

となるのでは、ないでしょうか。

原点に戻れ!と。

 

(2012、3、13)

2012年3月18日 18:07 | コメント (0)

新・ことば事情

4663「おこると いいことない」

 

小学1年生の娘が、尋ねてきました。

 

「パパ、ママにキレてる?」

「キレてないよ」

「おばあちゃんには?和歌山とちゃうで、大阪(実家)のおばあちゃんやで。ふつう?」

「大好きやで」

「あんなに おこってるのに?キレてたら ハートにギザギザ、はいるねんで」

「・・・・」

「おこると、いいことないで」

 

負うた子に教えられ・・・・。

 

「相田みつを」

 

 

みたいだよなあ。

 

 

 

(2012、3、13)

2012年3月17日 18:03 | コメント (0)

新・ことば事情

4662「舟券」

 

3月14日の「ミヤネ屋」ニュース・スクラップのコーナーで準備した新聞記事で、大阪府羽曳野市の中学校の先生(58歳)が、部活動の引率で福井へ行ったときに、空き時間に競艇場に行き、そこで中学3年の生徒の成績表をつけていたことが発覚したという記事が載っていました。競艇場で成績表を広げている姿を不審に思った人からの通報でわかったそうですが、通知表はスタンプがさかさまに押されていたり、間違ったのを直した跡が見られたということです。

この中でこの教師が、

「舟券」

を買っていたと記事に書かれていました。この「舟券」の読み方が、競艇をやらない私には分かりません。普通に読めば、

「フナケン」(あるいは「フネケン」?)

でしょうが、たとえば競馬の場合は「馬券」と書いて、

「バケン」

「音読み」ですよね?そうするとこの「舟券」も「音読み」で、

「シュウケン」

なのか?それもなんか、なじまない感じで・・・。国語辞典を引いても「舟券」は載っていません。やはりこれは専門家に聞くのが良いということで、大阪・住之江競艇場に電話して聞いてみたところ、わかりました!正式には、

「勝ち舟(ふね)投票券」

と呼ばれるこの券は、通称、

「舟券(ふなけん)」

と言うそうです。

また、競馬だと100円で1万円以上配当が付く場合に、

「万馬券(マンバケン)」

と呼ばれるようなものがありますが、「競艇」ではそういうものをどう呼ぶか?聞いてみたら、こちらは、

「万舟(マンシュウ)」あるいは「万舟券(マンシュウケン)」

「舟」を「音読み」で「シュウ」と呼ぶそうです。

やはり「餅は餅屋」、競艇は競艇屋さんに聞くのが一番ですね!大船に乗った気持ちです。

ま、今回の教訓は、

「競艇場で、生徒の成績をつけてはいけない」

ということです・・・・って、当たり前やないか!

 

 

(2012、3、14)

2012年3月16日 18:02 | コメント (0)

新・ことば事情

4661「老舗のIT企業」

 

2012年3月13日日本テレビお昼のニュース(ニュースダッシュ)を見ていたら、アメリカのIT企業Yahoo(ヤフー)が、株式上場を控えたFacebook(フェイスブック)を特許侵害で訴えたというニュースを放送していました。その中でこんな表現が。

「老舗のIT企業・ヤフー」

「IT企業」というくくりの中で「老舗」という表現が使われたのを放送で耳にしたのはこれが初めてです。

以前、

「老舗とは何年から言うのか?」

というのを、アンケートを取ったりしたことは書きました。(平成ことば事情3921「何年経ったら老舗?」と平成ことば事情3998「何年経ったら老舗?2」)

そのときは「老舗」の条件として、

(1)  三代は続いている

(2)  開業から50から100年以上

(3)  ケータイショップやハンバーガーショップなど新しい業種は「老舗」とは呼ばない

ということがありました。

3月13日の各紙夕刊を見てみると(朝日はこの記事が見つかりませんでした)

(読売)「米インターネット検索大手ヤフー」

(産経)「米インターネット検索大手ヤフー」

(日経)「インターネット大手のヤフー」

(毎日)「米インターネット大手ヤフー」(時事の記事でした)

と「老舗」を使っている新聞はありませんでした。翌14日の「日刊スポーツ」の記事も

「米インターネットサービス大手ヤフーが、米ネット交流サイト最大手フェイスブックを、特許侵害で訴えた」

となっていました。「老舗」は使わず、

「米インターネットサービス大手(ヤフー)」

でした。ちなみに各紙の「フェイスブック」の形容詞は、

(読売)「ソーシャルネットワーキング・サービス(SNS)世界最大手の米フェイスブック」

(産経)「交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック」

(日経)「交流サイト(SNS)最大手フェイスブック」

(毎日)「交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブック」(時事の記事でした)

読売、長い!!!そのほかは「SNS」を、

「交流サイト」

という日本語(?)に置き換えていますね。

                                           (2012、3、14)

 

 

(追記)

その後、「ミヤネ屋」の「世界電波ジャック」のコーナーで、「アメリカ・テキサス州」「トルコ」を取材したディレクターの原稿に、

「老舗のウエスタンショップ」(米・テキサス州)

「老舗のテレビ局」(トルコ)

という表現が出てきて、「うーん」と考えましたが、

「ま、いいか」

OKを出してしまいました。

(2012、4、23)

 

 

 

 

 

 

 

 

(2012、3、14)

2012年3月15日 18:00 | コメント (0)

新・読書日記 2012_044

『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』(香山リカ、幻冬舎新書:2006、11、30第1刷・2017、2、15第4刷)

 

オセロ・中島問題があったので、本屋で見かけて購入。ずいぶん以前に出た本だが、その際は「関係ないや」と買わなかったもの。読んでみて「自分はスピリチュアルにハマらない人だな」と再確認したが、でもそれは、あくまで「現在の自分であれば」という話。健康状態や経済状態、家族関係、仕事関係を含め、「どうしようもなく不調」になった場合にでも「ハマらない」と言い切れるかと言うと、そこまでの自信は、ない。まったく「可能性ゼロ」ではない。その意味では、「他人事(ひとごと)ではない」ということ。どういう状況だと「ハマってしまう」のか?「もしも」のときのため、そういったことを勉強する一冊だと思う。

 

 


star3_half

(2012、2、28読了)

2012年3月15日 12:45 | コメント (0)

新・ことば事情

4660「ドハンサム」

 

故・米原万里さんの『他諺(たげん)の空似』を読んでいたら、

「ドハンサム」

という表現が出てきました。

「ド」「ど」の付く強調表現については、以前、

「どキレイ」(平成ことば事情0486)

「どストライク」

「ドハマリ中」(平成ことば事情4500)

などで書きました。そのほか、2006825日放送のNHKの番組『知るを楽しむ選・人生の歩き方』で、京セラの稲盛和夫氏を取り上げたドキュメントのタイトルが、

「稲盛和夫 ど真剣に生きる」

でした。これらは本当に「強調表現」で、これまで「いい意味」では使わなかったイメージのある「ド」「ど」を「プラスイメージ」で使ったところが特徴でした。

しかし、この米原さんの使った「どハンサム」には、

ほめているようで実はほめていない、『ほめ殺し』的なニュアンス」

を感じました。これに似たものでは「謙遜表現」として、

「ど・アラフォー」

20094月、IT関連の人材派遣会社のアメリカ人社長との結婚を発表した演歌歌手の長山洋子さん(41=当時)が、そのブログの中で自分のことを指して、

「ど・アラフォー」

と呼んでいたのが思い出されるぐらいでしょうか。

田辺聖子さんの小説で、

「ど嬶(かか)」

というのもありましたが。あと、米原さんのお友達でイタリア語通訳田丸公美子さんのエッセイ、『シモネッタの本能三昧イタリア紀行』(講談社、2009)には、

「ド金持ちのイタリア女性」

という表現がありました。やっぱり二人はお友達だから、

「言葉の感覚もよく似ている」

のね。

 

(2012、3、13)

2012年3月14日 18:16 | コメント (0)

新・読書日記 2012_043

『玉村警部補の災難』(海堂尊、宝島社:2012、2、24)

 

このところまた海堂さんの本が立て続けに出ている(出版されている)気がするが、買ったはいいけど「海堂ワールド」に没頭する時間がなくて全然読んでいなかった。

しかし、これは買ってからほぼすぐに読んだ。4つのエピソードなので、分けて読みやすかった。

読み終えてまあ満足して、この黄色い表紙の本を本棚に入れようとしたら・・・あら?・・・既にこれは買っていたのに、読まないまま置いてあった!・・・って、買ってからまだ1か月もたってないのに、買ったことを覚えていなかったとは・・・道浦アナの災難・・・。

 

 

 


star3_half

(2012、3、8)

2012年3月14日 12:23 | コメント (0)

新・ことば事情

4659「孤立死」

 

2012年3月8日の「ミヤネ屋」250ニュースのコーナーで出てきた、東京・立川市高齢の母と娘の「餓死したと見られる遺体」が見つかった件で、

「孤立死」

という言葉が出てきました。見慣れない言葉ですが、それほど違和感のある言葉ではありません。「孤独死」と間違えそうです。意味はどう違うのでしょうか?考えてみましょう。

「孤独死」は、

「誰にも見取られずに一人で人知れず死んでいること」

を指すので、「2人で死んでいた」今回のケースには使えません。

「孤立死」はこの場合、

「この家族(母娘)が社会から『孤立』しての死」

ということですね。

その4日後の3月12日のやはり「ミヤネ屋」250ニュースのコーナーで、今度は東京・足立区で老人2人が・・・

「孤立死」

しているのが報じられました。繰り返しになりますが、

「『独り』で誰にも知られない間に死んでしまった」

のが「孤死」一方、

2人(あるいはひと家族ぐらい)だけで、死のうと思っていないのに病気(病死)や飢餓(餓死)、事故(事故死)で、周囲の人に気付かれずに死んでしまった」

場合は、

「孤死」

です。「心中」や「自殺」は、「孤立死」でも「孤独死」でもありません。

東京は「孤立死」が続いている印象ですねえ・・・。

Google検索では(3月13日)

「孤立死」= 729000

「孤独死」=4910000

でした。

 

(2012、3、13)

2012年3月13日 18:15 | コメント (0)

新・読書日記 2012_042

『岳~みんなの山 第15巻』(石塚真一、小学館:2012、3、5)

 

週刊誌(マンガ)のほうで連載は読んでいるのだが、まとめて読むと、また違う味わいがある。主人公の島崎三歩って、本当に超人的だなと思う。山のように大きい人だ。また台1巻から読み返したくなる。最初のほうと、ちょっと絵のタッチが変わってきているのもおもしろいよね。

 

「山」は人生です!(ボクは登らないんだけど)


star4

(2012、3、7)

2012年3月13日 12:17 | コメント (0)

新・読書日記 2012_041

『いま中国人は何を考えているのか』(加藤嘉一、日経プレミアシリーズ:2012、2、15)

 

著者は、いま中国で一番有名な日本人らしい。まだ20代の若さながら、中国にもう8年ぐらい住んでいて、中国事情にも詳しい。その著者が「いま中国人は何を考えているのか」を説いているのだから、大変興味深い一冊。

 

 


star3_half

(2012、2、22読了)

2012年3月12日 20:14 | コメント (0)

新・読書日記 2012_040

『ジャーナリズムの陥し穴~明治から東日本大震災まで』(田原総一郎、ちくま新書:2011、7、10)

 

サブタイトルが「明治から東日本大震災まで」。新書なのに頑張りすぎのタイトルです。第一章・第二章はそういった「歴史」なので、別の本で読んだことがある人は飛ばしても構わないと思います。もったいないと思う人は読んで。でも読む気が徐々にうせるので、第三章から読んで、後で読むのをお勧めします。

せっかく田原総一朗の本を買ったんだから、彼一流の話、彼にしか書けない話を読みたい。その意味では第三章「ジャーナリストになる~テレビマン時代」以降から読むというのはひとつの手じゃないかなと。政治(各内閣)とのかかわりのあったテレビ時代を書いた第六章が、私は一番面白かったです。ある意味、著者は「時代と寝た男」ではないかと。

それにしても、こういった本を著者が書きたくなるというのは、やはりそろそろ自らの半生を書きまとめておかなくちゃ・・・という気持ちが出て来たからなのでしょうか?

田原さんと大学同級生である私の先輩が、去年の秋に亡くなった。田原さんももう、年齢的には結構なご高齢。そのわりには、ものすごく頑張っていらっしゃるのだけれども・・・ねえ。

 

 


star3_half

(2012、2、23読了)

2012年3月11日 12:57 | コメント (0)

新・ことば事情

4658「『その時』のアクセント」

 

「ミヤネ屋』スタッフからアクセントの質問を受けました。

「『その時』のアクセントは、『ソ/ノト\キ』でしょうか?それとも『ソ/ノトキ』でしょうか?」

「うーん、関西弁だと『ソノト\キ』だけど、標準語アクセントだと2語に分けて『ソ/ノ・ト/キ』じゃないかな。でも強調するときは『ソ/ノト\キ』ということもあるなあ。最近は東京の人でも、関西風に読んでいる人が多いよ」

実は私のこの「その時」のアクセントには悩んでいたのです。私は2語に分けて、

「ソ/ノ・ト/キ」

だと思うのですが、最近耳にするのは、ほとんど、

「ソ/ノト\キ」

だからです。スタッフの質問に答えたあとに、

「そうか!」

とひらめきました。

そうかそうか、「ソ/ノト\キ」というアクセントは1語」、つまり、

「複合語のコンパウンド」

が働いているんだ!1語意識」の強い人は、そういうアクセントになる。強調形もしかり。それが関西弁のアクセントと同じように「ト」に山があって「キ」で下がるので、似ているように聞こえるわけだ。

(関西弁) ソノト\キ

(1語意識)ソ/ノト\キ

私のように、基本「その」「時」の「2語」として意識すると、

「ソ/ノ・ト/キ」

となるわけですね。どちらも間違いじゃないんですね。謎が解けました!

 

 

 

 

 

(2012、3、7)

2012年3月11日 10:51 | コメント (0)

新・読書日記 2012_039

『呪いの時代』(内田樹、新潮社:2011、11、20第1刷・2011、12、5第2刷)

 

内田樹の文章は、あまり好きではない部分がチラチラ出てくるので、積極的には読まないのだが、それでも書店に行くと、「おっ」と思うタイトルの内田の新刊が出ていたりすると、つい手に取ってつまみ読みして「これは買いだ」となってしまう。さすがに、それで読むと、ためになることが書かれていたり、共感を覚える部分があったりする。

冒頭、橋下(現・大阪市長)の名前は出て来ないが、明らかに「ハシズム」を否定している。「壊すほうが創造するよりずっと簡単」と。たしかに。

『「僕達の国の裏社会では「指を切り落とす」ということがある種の社会的記号として機能して、その行為によって社会的承認や場合によっては尊敬をかちうることがある。』(40ページ)。ふーん。

52~53ページあたりには、先日(23日)の読売新聞金曜の夕刊のことばに関するコラム「いやはや語辞典」で内田が書いた「万死に値する」に関する記述があった。「あ、こちらが原点か」と。コラムの中で自著を宣伝しなかったのは(字数の関係もあろうが)「潔いな」とも感じた。

確かに「政治家の言葉」が軽くなりすぎていて、言葉が政治家の武器のはずなのに、「へなちょこ刀」(なまくら刀?)みたいに成り下がっていることが、今日の日本の政治の停滞・衰退を招いているのではないか、と。

その意味ではテレビの「ワイドショー」が果たしてしまった"役割"も、反省すべき点はある・・・というか、「テレビ」というメディアは、そういった効果と副作用を持つということなのだが・・・。

 

 

 


star4

(2012、2、26読了)

2012年3月10日 15:16 | コメント (0)

新・ことば事情

4656「ロートル」

 

2012224日の「ミヤネ屋」で、前日会見に出て「俳優引退か?」という発言をした菅原文太さん(78)を取り上げました。記者が、

「スクリーン上で文太を見るのを楽しみに待ってらっしゃるファンの方がいらっしゃると思いますが・・・」

と問いかけたところ、

「いねえよ、こんなロートル、待ってないよ」

というようなことをおっしゃいました。このコメントフォローのスーパーを出すときに、

「ロートル」

の意味を( )で補足しようかな?と思って辞書を引いてみたら・・・なんと「ロートル」は、

「中国語」

だったんですね!てっきり、英語か何かだと思っていました。漢字では、

「老頭児」

と書くようです。辞書で「ロートル」を引いてみると、

『広辞苑』=(中国語)老人。としより。

『三省堂国語辞典』=老人。年寄り。

『新潮現代国語辞典』=老人。としより。

『新選国語辞典』=老人。

『岩波国語辞典』=老人。年寄り。▽中国語「老頭児」から。

シンプルです。中国語であることがよくわかります。

『精選版日本国語大辞典』=(中国語から)老人。としより。(例)『往来』(1946)<永井龍男>「暖房焚きの満人の爺さん(ロートル)と」

用例の「ロートル」は「爺さん」を中国語で言ったものであり、ちょっと現在使われている「ロートル」の語感を示した用例ではありませんね。「満人」なんて言葉も「死語」でしょう。この辞書で「満人」を引くと・・・載っていない!全部の用例に出て来る言葉を載せているというわけではないのですね。「満州人」のことをそう呼読んだのだとは思いますが・・・。

話を「ロートル」に戻し、『明鏡国語辞典』を引くと1版も第2版も「ロートル」を載せていませんでした。「ロートル」という言葉自体が「ロートル」であるという判断なのでしょうか??そして『新明解』を引いてみると、

 

『新明解国語辞典』=年とって頭の働きなどが鈍くなった人

 

わあー、確かにそれなんだけど、そんなにストレートに言ってしまっていいんですか?新解さん!?

この「ロートル」という言葉、菅原文太さんのように「謙遜」して「自虐的」に言うこともありますし、ちょっと「侮蔑的」に使うこともあるし、まだまだ「死語」じゃないと思うのですけどねえ・・・。

「ミヤネ屋」の放送では、

「ロートル(老人)」

とスーパーを出しました。

 

 

 

(2012、3、7)

2012年3月10日 10:50 | コメント (0)

新・読書日記 2012_038

『神の雫 32』(作・亜樹直、画・オキモトシュウ、講談社:2012、2、23)

 

「第十の使徒」はおそらくブルゴーニュ。ということで 出てくるのは「ヴォーヌ・ロマネ」。これは私がワインにハマるきっかけになったワイン。やはり、それだけのことはあるワインであったと再確認。それまで、たまに口にしたことがワインとはまったく別物に感じられたのがこの「ヴォーヌ・ロマネ」だった。具体的にはどんなワインが紹介されるのか、次号以降が楽しみである。

 

 


star3_half

(2012、2、29読了)

2012年3月 9日 15:14 | コメント (0)

新・ことば事情

4656「リハビリ」

 

『大往生したけりゃ医療とかかわるな~「自然死」のすすめ』(中村仁一、幻冬舎新書:20121301刷・20122113刷)という本を読んでいたら、

「リハビリテーション」

の語源について、

「リ(再び)」「ハビリス(人間にふさわしい)」「エーション(状態にする)」

と書かれていました。

それまで「リハビリ」という言葉に何万回と触れていながら、「リハビリ」の「リ」が「再び」の意味の「リ」であることを意識したことは、ただの一度もありませんでした。

びっくりしました。

そういえば、「ハビリス」に関しては、「住む」「住居」「住人」という意味の、

「ハビテーション(habitation)」「ハビタンス(habitance)」

は知っていたのですが、「リハビリ」の「ハビリ」と結びつきませんでした。

これ、英語で見ていたら気付いたかもしれないですけど、カタカナ語(外来語)だと、まったく想像が働かないものですね。ビックリしました。

 

(2012、3、4)

2012年3月 9日 10:53 | コメント (0)

新・読書日記 2012_037

『酔客万来~集団的押し掛けインタビュー』(酒とつまみ編集部編、ちくま文庫:2012、2、10)

 

中島らも、井崎脩五郎、蝶野正洋、みうらじゅん、高田渡への「酒とつまみ編集部」(そんな雑誌があるんだ!)によるインタビュー。最初の中島らもの酒をのみながらのインタビューを、朝、通勤電車で読み始めて、「あ、これはあかん、朝に電車の中で読む本とちゃう!」と。

みうらじゅんが抜群におもしろかった!中島らもと根本は同じです表現形が違う。陰と陽。高田渡もなかなかふざけたオヤジだ。

こんなふざけた雑誌のインタビューに答えるほうも答えるほうだし、その単行本を文庫化するちくま文庫もちくま文庫だ。さらに言えば、そんな本を買うほうも買うほうだし、最後まできっちり読むやつも読む奴だ。たぶん、良識ある女の人は、こんな本を読まないと思う。この本のおもしろさがわからない男は、つまらない男だと思う。まあ、私の趣味の範囲での判断ですが。こういった人たちと一緒に飲んでみたいかというと...正直、ちょっと躊躇しますが。

 

 


star3_half

(2012、3、3読了)

2012年3月 8日 15:13 | コメント (0)

新・ことば事情

4655「雀右衛門のアクセント」

 

人間国宝の女形・中村雀右衛門さんが亡くなりました。91歳。

歌舞伎に詳しいわけではないので、あまり存じ上げなかったのですが、ご長命ですね。

さて、ここで問題は「歌舞伎役者の名前の読み方」です。

「(中村)雀右衛門」「(尾上)菊五郎」の読み方(アクセント)は、「これが絶対!」ではないと思いますが、おそらく、

×「キ/ク\ゴロー」(中高)→○「キ/クゴロー」(平板)

×「ジャ/ク\エモン」(中高)→○「ジャ/クエモン」(平板)

だと思います。同じような名前では、「(中村)歌右衛門」「(板東)三津五郎」が、

×「ウ/タ\エモン」(中高)→○「ウ/タエモン」(平板)

×「ミ/ツ\ゴロー」(中高)→○「ミ/ツゴロー」(平板)

「平板アクセント」です。

「アッと驚くタメゴロー」は「タ/メ\ゴロー」(中高)ですが、歌舞伎の世界のアクセントは違うようです。

「(片岡)仁左衛門」については、ご本人が関西の方で、ご自分の名前を話しているのを聞いたことがあります(テレビで)が、

「ニ/ザ\エモン」(中高)、「ニ/ザエモン」(平板)

両方のアクセントを使ってらっしゃいました。

また、「(市川)海老蔵」について、梨園(りえん)の方は、

「エ/ビゾ\ー」(中高)

最後は音を下げると、これは以前、タレントの松尾貴史さんがおっしゃってました。

 

(2012、3、5)

2012年3月 8日 10:53 | コメント (0)

新・読書日記 2012_036

『日本語雑記帳』(田中章夫、岩波新書:2012、2、21)

 

著者は御年90歳の日本語学者。元国立国語研究所の研究員でもある。まさにタイトルどおり、日本語に関する「あれやこれや」がちりばめられていて、知的刺激を受ける。「メディアのことば」では、「前畑がんばれ!」から「@の呼び方」まで、「外行語・外来語」では「ペチカ」から「冥王星」まで、そのほか「呼びかけのコトバ」「方言」「漢字・漢語の世界」「昭和のことば」など幅広く少しずつ、象徴的なことばを選んで網羅していることばのエッセイ集。新しいところでは「東日本大震災」に際して官房長官などが発した「ゼロではない」にも言及。また私も数年前から気になっていた「ダイジョウブ」ということばについても言及している。「ことば」について考えるきっかけになる。「山の手ことば」と「下町ことば」の区分も「なるほど」と思ったが、表が、ややわかりにくかった。それにしても90歳の大先輩がパソコンもネットも扱って、最新の言葉にも言及している姿に、敬服。

 

 


star4_half

(2012、2、28読了)

2012年3月 7日 12:12 | コメント (0)

新・ことば事情

4654「せんべろ」

 

『酔客万来~集団的押し掛けインタビュー』(酒とつまみ編集部編、ちくま文庫:2012210を読んでいたら、故・中島らもさんへのインタビューの中で、

「せんべろ」

という言葉が出てきました。この意味は、

「1000円でべろべろに酔える」

ということ。たまーに耳にしますが、中島らもさんの造語なのでしょうか?

Google検索(3月4日)では、

「せんべろ」=18万2000件

もありました。

中島らも・小島純著『せんべろ探偵が行く』(文芸春秋)がきかっけかなあ、やっぱり。

2003年の10月に出ています。

言葉の響きとしては、

「せんみつ」

に似ていますね。これは、

「千のうち三つぐらいしか本当のことがない」

ということで、つまり、

「うそ。いつわり。うそつき。ほらふき」

のこと。これは各種辞書に載っています。「せんべろ」は国語辞典には載っていないなあ。

梅花女子大学・米川明彦先生の『日本俗語大辞典』にも載っていません。

やっぱり、らもさんの造語なのかなあ。

それにしてもなかなか「1000円でべろべろに酔える店」なんて・・・ないよなあ。『酔客万来~集団的押し掛けインタビュー』には、高田渡さんが、九州にある(あった)焼き鳥1本5円、焼酎も1杯100円しない店の話をしていましたが、そこなら「せんべろ」になれるかも。しかし、よっぽどアルコール度の高い酒を飲まないと、「べろべろ」は難しいのでは?というより、なんで「べろべろ」になるまで酔わないといけないのか?何が楽しゅうて、もしくは悲しゅうて、「べろべろ」にならなくてはいけないのか?べろべろになって家に帰るのにタクシーに乗っていては、「1000円」でべろべろになった意味がないではないか。家でなら「1000円でべろべろ」は可能かもしれませんが・・・私もそこまで酒飲みじゃないからなあ・・・。

 

(2012、3、4)

2012年3月 7日 11:52 | コメント (0)

新・読書日記 2012_35

『沖縄と米軍基地』(前泊博盛、角川Oneテーマ21:2011、9、10)

 

野田首相が、首相就任後初めての沖縄訪問を今日(2月27日)終えた。鳩山首相以降の総理大臣にとって、その鳩山首相が種をまいた「沖縄問題」(もちろんそれ以前からあったものだが)をどう収拾するかは大きな政治課題である。下手をすると自らの首が飛ぶ。うまく解決できれば長期政権も可能であろう。そのぐらい重要なものである。

遅ればせながら、こう言った問題に関しての本を読んでおかねば、と。

沖縄の問題は(ほかのこともそうだろうけど)特に、「どちらの立場で書かれているか」をしっかりと分かった上で読むことも大切である。

 

 


star3_half

(2012、2、16読了)

2012年3月 6日 15:10 | コメント (0)

新・ことば事情

4653「舞水端里の里」

 

<2009年の8月13日に書きかけました。当時は「平成ことば事情3818」>

 

北朝鮮のミサイル発射基地があるところの地名は、

「舞水端里(ムスダンリ)」

です。そのほか似たような地名には、

「東倉里(トンチャンリ)」(産経新聞は「トンチャンニ」)

があります。この語尾(?)の、 

「里」

というのは、ドイツ語でいうところの「ハンブルク」「ブランデンブルク」「ハイデルベルク」とかの、

「ベルク」

あるいは、スペイン語地名の「マドリード(マドリッド)」「バリャドリード(バリャドリッド)」などの、

「-ド(ッド)」

の部分と同じなのではないでしょうか?つまり、

「町を表す接尾語的役割」

なのでは?

もう少し大きく、「国」を表す接尾語として有名なものには、「カザフスタン」「ウズベキスタン」「トルクメニスタン」などの、

「スタン」

がありますが、これは文化圏としては同じであることも示していますよね。

日本の場合も地名を分析していくと、共通のものがあると思います。以前聞いたもの(読んだもの)では、アイヌ語起源の地名で、関東以北にある、

「『谷』と書いて『ヤ』と読む地名」

は、

「湿地帯」

を表しているそうです。いまやその面影がなくなっているところもあるでしょうが、歴史的にその地がどうであったのかは、現在にもつながる「情報」ですよね。

 

(2012、3、4)

2012年3月 6日 11:25 | コメント (0)

新・ことば事情

4652「マウントとマウンドとマウンテン

 

2011913日にタイトルだけ書いて、ほったらかしでした>

 

どうしてかは忘れましたが、似たような言葉に関連性を感じました。それは、

「マウント」「マウンド」「マウンテン」

です。サルが相手を制圧するときに背中に登ることを、

「マウント」「マウンティング」

と言うのは知っていましたが、これってもしかしたら、「山」の意味の、

「マウンテン」

からきているのではないか?いや、それは逆で、「登る」という意味が「マウント」で、その登る対象が「マウンテン」なのではないか?

そして、「登る」というと、野球でピッチャーが登るのは、

「マウンド」

これもなんだか「マウンテン」「マウント」に似ているではないか。語源は同じなのか?ということが気になったのです。

『ジーニアス英和辞典』を引くと(名詞のみ)、「マウント」は(この意味の関連では)載っておらず、「マウンティング」はありました。

*「マウンティング」(mounting)(1)登る(乗る)こと(2)備え付け、装備<軍>砲架(3)(写真・絵などの)台紙、(宝石の)台、表装、(機械部品の)取り付け金具(器具)

 

*「マウンド」(mound)(1)塚、(墓の上の)盛り土、小山、土手、堤、(防御用の)土塁、(比喩的にaof+名詞)・・・の山(pile)(2)(米)<野球>マウンド

 

*「マウンテン」(mountain)(1)山<通例hillよりも高いものをいう。)瞑想の場、孤独、再生、天国などを象徴>

 

それぞれの記述だけでは決定的ではありませんが、何らかの関連はありそうな気配はありますね。

 

 

(2012、3、4)

2012年3月 5日 17:24 | コメント (0)

新・読書日記 2012_034_

『劇薬時評~テレビで読み解くニッポンの了見』(佐野真一、筑摩書房:2012、1、25)

 

このところものすごく精力的に活動している著者が、これまで書き溜めた(雑誌連載の)コラムをまとめたもの。かなり辛口のテレビ時評であり、世相を読み解く特批判の書である。ほとんど、「そのとおり」と思いつつも、一点「そうかな?」と思ったのは、ドキュメンタリーの賞を取った作品に対する評価。そのドキュメンタリーは私も見たが、はっきり言って「これがドキュメンタリー?」と思わせるものだった。納得がいかなかった。

 

 


star4

(2012、2、18読了)

2012年3月 5日 15:08 | コメント (0)

新・ことば事情

4651「イエモン」

 

「ミヤネ屋」の原稿に突如出てきた、

「イエモン」

というのは、

「イエローモンキー」

の略称・通称だそうです。そもそもの「イエローモンキー」を知らないので、何も反応できないのですが、

「ペットボトルのお茶の名前」

とは関係なさそうです。ネット検索してみると、

1988年結成されたロックバンド。名前の由来は、ボーカル吉井のイニシャルY2004年解散。90年代、最強のグラムロックバンドと呼ばれた。通称・イエモン」

だそうです。

そう言えば、

「ファンキーモンキーベイビーズ」

の略称・通称は、

「ファンモン」

でしたね。

FUNKY MONKEY BABYS(ファンキー・モンキー・ベイビーズ)は、2004年に結成された日本の男性音楽グループ。通称はファンモン。」

「フジモン」は何の略だっけ?ま、いっか。

 

(2012、3、4)

2012年3月 5日 05:23 | コメント (0)

新・ことば事情

4650「鑑(かがみ)」

 

2月24日の「ミヤネ屋」にスーパーをチェックしていたら、

「女の鏡」

というのが出てきました。この「かがみ」は「お手本」の意味ですから、「鏡」は間違い。正しくは、

「鑑(かがみ)

です。「表外訓」(常用漢字だけれども、常用漢字表にその読み方が載っていない)なので、平仮名で書くか、ルビを振って使います。つまり、

×「女の鏡」→○「女の鑑(かがみ)

です。これで思い出すのは『三省堂国語辞典・第三版』に見坊豪紀さんが書かれた「まえがき」です。

 

辞書は"かがみ"であるーーーこれは著者の変わらぬ信条であります。

辞書は、ことばを写す"鏡"であります。同時に、

辞書はことばを正す"鑑(かがみ)"であります

 

これは名文ですよねー。つまり「辞書」は時代を映す「鏡」でもあり、規範・手本としての「鑑(かがみ)」でもあると。

そのことを思い出してハッ!とひらめきました。

なぜ「鑑」を「かがみ」と読むのか?

「鑑」の訓読みは、

「かんがみる」

ですよね。その「かんがみる」の語幹部分(プラスアルファ)の、

「かんがみ」

「ん」が脱落して(縮まって)、

「かがみ」

になったのではないか!?そうすれば、意味がつながる気がする。

もしかすると、「鏡」も、「かんがみる」からきていて、同じ語源なのではないか?という気さえしてきました。

『精選版日本国語大辞典』で「鑑」を引いてみましょう。

 

「かがみ(鏡・鑑・鑒)」(「影見(かげみ)」で「かが」は「かげ」の交替形という)

 

ありゃ。全然違った。では「かんがみる」を。

 

「かんがみる(鑑・鑒みる)」(「かがみる(鑑)」の変化した語)

 

おお、では「かがみる」を引きましょう。

 

「かがみる(鑑・鑒)」(「かがみ(鏡)」の動詞化したもの)

 

やっぱり!

「かんがみる」は「かがみ」の動詞化したもの、予想は当たったというか、「逆」だったんですね。「鏡」から「かんがみる(鑑みる)」が生まれたと。「かがみ+る」の強調形(?)が「かんがみる」なのですね!いずれにせよ。「同根」であることはわかりました。

納得!

 

(2012、2、27)

2012年3月 4日 18:10 | コメント (0)

新・読書日記 2012_033

『漢字の現在~リアルな文字生活と日本語』(笹原宏之、三省堂:2011、9、10)

 

現在の漢字研究の若手の第一人者と言える笹原氏の新著。といっても、出てからもう半年近くたってはいるが、出てすぐに購入して「積んどく」になっていたのを、ようやく読み終えました。

日々、字幕スーパーと格闘している身としては、タイトルの『漢字の現在~リアルな文字生活と日本語』は、「そのまま」仕事上、最も興味のある出来事である。

もともとそういう傾向はあったものの、ケータイメールの普及によってより進んだ「話し言葉の文字化」による「書き言葉」の崩壊の問題などもあり、興味深く読んだ。

 

 


star4

(2012、2、6読了)

2012年3月 4日 15:08 | コメント (0)

新・ことば事情

4649「浪費癖の読み方」

 

「ミヤネ屋」のナレーターの松尾さんに、

「浪費癖」

「癖」の読み方を尋ねられました。そりゃあ、

「ヘキ」

でしょう。「寝癖」なら「グセ」ですが。どうやら担当ディレクターは、

「グセ」

だと思っていたそうで、松尾さんにも「グセ」で読むように言ってきたそうです。

「癖」の上に来るものが「和語」なら「クセ(グセ)」ですが、「漢語」ならば「ヘキ」というのが原則です。『広辞苑』では、

 

*「ヘキ」=悪癖(あくへき)、完全癖、奇癖、古癖(こへき)、嗜癖(しへき)、詩癖、邪癖、収集癖、習癖(しゅうへき)、酒癖(しゅへき)、晶癖(しょうへき)、書癖(しょへき)、性癖(せいへき)、通壁(つうへき)、盗癖(とうへき)、病癖、洋癖、浪費癖

 

*「グセ」=歌癖、女癖、書き癖、着癖、口癖、心癖、抱き癖、出癖、怠け癖、寝癖、負け癖、悪癖(わるぐせ)

 

というように使い分けられています。

このうち「酒癖」は「しゅへき」「さけぐせ」、「盗癖」は「とうへき」「ぬすみぐせ(盗み癖)」、「悪癖」は「あくへき」「わるぐせ」など(送り仮名は違いますが)、どちらの読み方もできるものもありますね。

 

(2012、2、27)

2012年3月 4日 11:08 | コメント (0)

新・ことば事情

4648「ジコマン」

 

今年1月下旬に、町で耳にした若い女性の言葉。

「所詮、ジ/コマン(自己満)じゃないですか。」

「自己満足」の省略形。これは「自己中心的」を略した、

「ジコチュー」

と同じような語構成ですね。「肉まん」みたいです。Google検索では(227日)、

「ジコマン」=357000

「自己満」=35200000

もありました。その中で、『日本語俗語辞書』というサイトには、「自己満」について詳しく説明してありました。(そのサイトは、読売テレビの「なるとも」や、札埜先生の『大阪弁「ほんまもん」講座』の本でも紹介されたらしいです。)

「自己満」という言葉に、わたしがふだん、接することがないのは、

「私が若者ではないから」

のようですなあ。

また、その彼女は、

「古文なんか...」

「古文」が「中高アクセント」で、

「コ/ブ\ン」

と言っていました。これは「関西弁アクセント」なんやろか?「3拍中高」だし・・・でもヘンなアクセントだなあ。

 

(2012、2、27)

2012年3月 3日 18:07 | コメント (0)

新・ことば事情

4647「地名が個人名になる隠語」

 

<2008年9月15日に書きかけました。当時は「平成ことば事情3472」>

立川談春の『赤めだか』を読んでいたら、

「落語界では、大師匠は『町名』で呼ぶ」

と書いてありました。

「目白」=五代目・柳家小さん

「柏木」=六代目・三遊亭円生

というような感じだそうです。また、2008910日の読売新聞夕刊には、

「黒門町」=八代目・桂文楽

で、これは『内儀さんだけはしくじるな』(古今亭八朝、岡本和明編、文藝春秋)に出てくると記されていました。

こういった例は、別に落語界だけじゃないですね。私たちも、親類関係などを呼ぶときに、

「和歌山のおばあちゃん」

「三重のおばちゃん」

「横浜のおじちゃん」

というような呼び方をします。もっと細かい地名を言うこともあります。私は三重県の伊賀上野の出身(生まれ)ですが、祖父母を呼ぶのに「町名」を使って、

「紺屋町(こんやまち)のおじいちゃん」

「忍町(しのびちょう)のおばあちゃん」

また、親戚でも、

「丸の内(まんのうち・のおじちゃん)」

などという言い方になじんできました。

一般的にも、「地名」がその「業界」などを指すものがありますね。

「兜町」=証券

「秋葉原」=電気街→オタク

「永田町」=政治家

「霞が関」=官僚

「虎ノ門」=警視庁

「吉原」=遊廓→ソープ街

といったところは有名です。これらは一種の「業界用語」なんでしょうね。ちなみに政治家の業界では、

「目白」=田中角栄→田中真紀子

で、これは一般的です。落語界とは同じ「目白」でも指す人が異なるのですね。

 

(追記)

まず訂正。NHKの原田邦博さんからご指摘いただきました。

×「虎ノ門」=警視庁 →○「桜田門」=警視庁

大変失礼しました。「虎ノ門」は「文部科学省」かな?

原田さんからはこのほか、「歌舞伎役者」も「地名」で呼ばれることがあるとして、

「五代目 中村歌右衛門」さんは、千駄ヶ谷に大きな屋敷があったことから、

「千駄ヶ谷」

と呼ばれていたそうです。また「尾上松緑」さんは、

「紀尾井町」

だそうです。たしか「ホテルニューオータニホテル」や「文藝春秋社」があるところですね。

また、先日亡くなった「中村芝翫さん」もその住所から、

「神谷町(かみやちょう)」

と言われていて、「大向こう」からそう声がかかったこともあるそうです。

ただ、芝翫さんは生前、

「こういう言い方は私で最後になるだろう」

と話しており、今後は消えてゆくことになるでしょう・・・とのことでした。

原田さん、ありがとうございました。

(2012、3、7)

 

(追記2)

アメリカ在住のI先輩からは、

「猪瀬直樹さんなんかは、『虎ノ門=特殊法人』という言い方をしているようです。」

というメールを頂きました。ありがとうございます。

でもなんで、「アメリカに住んでるのに、『猪瀬直樹が「虎ノ門=特殊法人」の意味で使ってる』なんて知ってる」の?(本か、ネットで読んだのでしょうか?)

つまるところ、地名である個人や法人の名前を呼ぶというのは「隠語」であり「婉曲表現」であり、直接その名を呼ぶことが憚(はばか)はばかられるような雰囲気がある、「アンタッチャブル」なのでしょうか?そこまでは行かなくても、

「ダイレクトにその名を呼ぶことは、畏れ多い」

のかな?

「ハリーポッター」シリーズで、悪の魔法使い・ヴォルデモートの名前直接口にしてはならないという「言霊信仰」的なところがあって、ハリーポッター以外のみんなが

「あの人」

と呼んでいたような感じかな?ハリーは、その名前を直接口にする「勇気」があった。魔法は使うけど、言霊に対する信仰はなかった=科学的?現代的なヒーローとして描かれていたのかも。

たしかに昔から「名前」は大切で『孫悟空』(西遊記)で「金角」「銀角」(金閣?銀閣?)と名前を呼ばれた鬼(だっけ?)が返事をしたらひょうたんに吸い込まれるというシーンがあったかに思いますし、「鬼六」という名前を呼んだら、鬼は川に沈んでしまったなんて昔話もありましたよね。

そうすると、「神谷町」と呼ばれていた歌舞伎の中村芝翫さんが生前、

「こういう言い方は私で最後になるだろう」

と言ったのは、こういった「禁忌の領域」だんだんなくなってきたということを感じていたのでしょうか?

あれ?「禁忌の領域」?猪瀬直樹さん?の本のタイトルにこんなのなかったっけ?昔読んだような・・・。あ、ありました『禁忌の領域~ニュースの考古学』199310月に出ています。本棚探して、もう一度目を通してみるか。

                      (2012、3、8)

 

 

 

 

 

 

 

(2012、2、27)

2012年3月 3日 11:18 | コメント (0)

新・ことば事情

4646「『やまほこ』か『やまぼこ』か」

 

201096日に書きかけました>

(わあ、もう2か月近く経ってしまった!早いなあ・・・)

2010年7月14日の読売新聞夕刊に、

「『やまほこ』国際標準に」

という見出しの記事が出ていました。京都・祇園祭の、

「山鉾」

の読み方なのですが、アナウンサーの間では長年、

「やまほこ」か「やまぼこ」と濁るのか

が悩みの種。放送局の系列によって「濁る・濁らない」が違っていたりします。関西の局の間の話ですが。(読売テレビは「やまほこ巡行」。濁りません。)つまりどちらも「あり」といえば「あり」なのですが、地元・京都でも、

「聞く人によって違う」

のですから難しい。

その論争に終止符が打たれるかもしれない?というのがこの記事。それによると、

2009年9月にユネスコの無形文化遺産に登録された『京都祇園祭の山鉾行事』は英文表記で、

『yamahoko』

祇園祭山鉾連合会もパンフレットの英文を『HOKO』で統一するなど、

『やまほこ』を"国際標準"

としたためだ。」

とあります。さらに、

「祇園祭は平安時代、流行した疫病の退散を祈る御霊会(ごりょうえ)として始まったとされる。山鉾の読みや表記は、鎌倉時代末期から江戸時代までの『八坂神社文書』で『鉾』を『ほく』と記しており、これが『ほこ』に転じたとみられている。こうした歴史を踏まえて、1992年には当時の山鉾連合会会長が、祭りを執り行う八坂神社と協議し、

『やまほこ』

で統一すると決めたが、山鉾の各保存会が『広く使われる言い方は「やまぼこ」』と反発、決定が覆った経緯がある。以後、八坂神社は『ほこ』に統一したが、再び混在した状態が続いていた。』

ということ。

うーん、これはまだまだ落ち着かないみたいですねえ。だって、

「ローマ字表記は、振り仮名ではない」

ですからね。あくまで、海外に向けて英語で読む際の読み方に過ぎないわけですから。日本語の連濁とは別次元の話ですね。

あれから2回、「祇園祭」がありましたけど、今年はどうなるのやら・・・。

 

(2012、2、27)

2012年3月 2日 23:17 | コメント (0)

新・ことば事情

4645「午前10時37分ごろ」

 

200795日にタイトルを書き、そのままになっていました。当時は「平成ことば事情3055」でした。4年半で1600項目ぐらい書いてるな>

 

お昼のニュースを聞いていたら、こんな表現が。

「きょう午前10時37分ごろ」

何が気になったかって?

「『ごろ』が付いているのに、あまりにも時刻が詳しすぎる」

というところが気になったのです。これは「ごろ」を付けるなら、

「きょう午前10時半ごろ」

が一番適当じゃないのかなと思います。

まあ、百歩譲って、

「きょう午前10時35分ごろ」

までですね。「5分刻み」まで。どうしても「37分」を言いたいのなら、「ごろ」を付けずに、

「きょう午前10時37分」

と断定すればいいのです。事実に自信があれば。

それから5年近くたって、先日(2012217日)のお昼のニュース(ytv関西ローカル)を見ていたら、似たようなものが出てきました。火事のニュースの字幕スーパーで、焼けた家の面積が、

「約182㎡」

と出ていたのです。そこまで詳しく(下1けたまで)言うなら、「約」は要らないだろうと思ったので、デスクに言っておきました。

「182㎡」

「約」をはずしてしまうか、

「約180㎡」

とするか、どちらかでしょうね。

もしかしたら、「警察発表」をそのままの表現で忠実に書いているから、こんな表現が出てくるのかもしれませんが、私はちょっと違和感を覚えます。

 

(2012、2、27)

2012年3月 2日 18:16 | コメント (0)

新・ことば事情

4644「しっちゃかめっちゃか」

 

2011年10月21日のお昼のニュースを見ていたら、長野県でクマが家の中に入ってきたというニュースを放送していました。その中でインタビューに答えた家の人が、

 

「もう、しっちゃかめっちゃかにされて」

 

と答えていました。ところがそのコメントをフォローしたスーパーは、

 

「めちゃくちゃにされて」

 

となっていました。ということは、このスーパーを出した担当者(デスク)は、

「しっちゃかめっちゃか」

という言葉は、

「長野の方言でわかりにくいので、意訳したほうがいい」

と判断したのでしょうか?

「しっちゃかめっちゃか」

って、「方言」ではないと思いますが・・・。

辞書で「しっちゃかめっちゃか」を引いてみると、

「混乱・散乱したさまをくだけていう語。めちゃくちゃ」(広辞苑)

「物事の混乱したさま。めちゃくちゃ」(精選版日本国語大辞典)

「物事が入り乱れているさま。めちゃくちゃ」(デジタル大辞泉)

「(俗)めちゃくちゃ」(三省堂国語辞典)

「(俗語)めちゃくちゃの強めた言い方」(新選国語辞典)

といったところ。「方言」ではないようですが、あきらかに、

「俗語」

ですね。それで丁寧な形、というか「意訳」したのかもしれませんね。そのままのほうが雰囲気は出たのになあ、と思わないでもないところですが。

 

(2012、2、26)

2012年3月 2日 12:11 | コメント (0)

新・ことば事情

4643「ブロマイドとプロマイド」

 

20111011日、「ミヤネ屋」

「マルベル堂90年」

という話題を取り上げました。「マルベル堂」、ご存じですか?アイドルなどの

「プロマイド」

を売っている会社です。

本来、アイドルなどの写真のことは、普通名詞では、

「ブロマイド」(bromide

なのですが、マルベル堂は「商標」として、

「プロマイド」

「プ(p)」なのです。そこで、原稿の地の文では、

「普通名詞の『ブ(b)』」

にして、

「マルベル堂のものに関しては『プ(p)』」

にするという区別をしましたが、ちゃんと気付いてくれた人はいるかな?

ちなみにGoogle検索では(227日)

「プロマイド」(マルベル堂) 822000

「ブロマイド」(一般名詞)  2690000

でした。

(2012、2、27)

2012年3月 1日 18:10 | コメント (0)

新・ことば事情

4642「火災報知機か?火災報知器か?」

さて、ここで問題です。

「火災報知き」「火災警報き」

の「き」は「機」でしょうか?それとも「器」でしょうか?

この間見かけた消防署のポスターは、ごらんのように、

「火災警報器」

というように、「器」でした。


そして、「火災報知き」のほうは、実物を見てみると(ちょっとボケボケですけど)、

「火災報知機」

「機」でした。使い分けがあるのかな?


Gogle検索(2月26日)では、

「火災警報器」=7110000

「火災警報機」= 547000

「火災報知器」が圧倒的です。一方、「火災報知き」は、

「火災報知機」=1920000

「火災報知器」=1750000

と、どっこいどっこい、どちらも使われているようです。

いずれにせよ、「火の用心」!


(2012、2、26)

2012年3月 1日 11:50 | コメント (0)