新・ことば事情
4639「掃苔」
『死ぬことを学ぶ』(福田和也、新潮新書:2011、2、20)を読んでいたら(97ページ)、
「掃苔(そうたい)趣味」
という言葉が出てきました。「苔(こけ)を掃く」というのは、どんな趣味なんでしょうか?園芸?庭掃除?辞書を引いてみました。『精選版日本国語大辞典』には、
「そうたい(掃苔)」=こけをきれいに取り去ること。転じて、墓参り。
お!そうだったのか、苔の掃除をするのは「墓参り」か!・・・って、しょっちゅう墓参りしていたら、苔は生じないと思いますが・・・ま、屁理屈はおいといて、知らなかったなあ。「墓参り」してないからかなあ。『デジタル大辞泉』にも載っていました。
「そうたい(掃苔)」=墓の苔をきれいに取り去ること。転じて、墓参り。特に盂蘭盆前の墓参りをいう。
ふーん、お盆のお墓参りのことを特に言うのね。それで「秋の季語」になっているのですね。『広辞苑』にも載っていました。
「そうたい(掃苔)」=(墓石の苔(こけ)を掃(は)く意)墓参り。特に盂蘭盆(うらぼん)の墓参。
『大辞泉』と同じですね。
『三省堂国語辞典』『新選国語辞典』『新潮現代国語辞典』『岩波国語辞典』には「掃苔」は載っていませんでした。