新・ことば事情
4612「エッジ」
先日の新聞用語懇談会放送分科会で話し合われた内容に、「アクセントで意味が変わる外来語」というものがありました。そのひとつに、
「エッジ」
があります。『広辞苑』を見ると、
(1)端
(2)スキーの滑走面の両側の角。スケート靴の氷に接する面の両角。
とありますが、最近はこれに新しい使い方・意味が出てきているようです。
先日、レンタルCD店に行ったところ、「レディー・ガガ」のCD『ザ・リミックス』の宣伝ポップにこんな文字がありました。
「エッヂィなクラブ系アーティストによるリミックスを収録」
表記が「ヂィ」となっているのもさることながら、この言葉の使われ方に注目しました。私は使ったことのない「エッジ」です。
私は『広辞苑』に書かれているとおり、スキーやスケートで、
「エッジが効いた滑り」
のような使い方ぐらいしか知りません。「効いた」もない単独の「エッジ」が使われた、
「エッヂィなクラブ系アーティスト」
とは、一体どんなアーティストなのか?
ま、想像するに、一言で言えば、
「カッコイイ」
ということなのではないでしょうか。それにしても「エッヂィなクラブ系アーティストによるリミックスを収録」って、「カタカナばかり」で、
「何を言ってるか、オジさんにはわからない」
というところでしょうね。「エッヂィ」が「エッチィ」に見えた人も多いのではないでしょうか?え?そんなふうには見えないって?
ぢゃあ、「エッチィ」に見えた人は「オヂサン」ということで・・・。
(追記)
アメリカ在住のI先輩からメールが。
「エッジー(edgy)というのは、米語ではだいたい二つの意味があります。
ひとつは、『先端的』『前衛的』『先進的』というような意味でこれはよい意味ですね。
もうひとつは、『とげとげしている』『つんつんしている』『いらいらしている』『怒りっぽい』というような意味でこれは悪い意味ですね。
もしかしたら、音楽業界に特有な使いかたがあるのかもしれませんが、普通は以上のような意味で使っています。
しかし『エッヂー』と、『ヂ』を使うとなぜか『おやぢ』を思い出しました。
(「おやじ」よりも「おやぢ」のほうが悪意があるような気がしますが、違うかな?) 」
ご教示、ありがとうございます。確かにその感覚は分かります。日本語に訳すと、
「とんがった」
というような意味ですね、良くも悪くも。「ヂ」を使った、
「オヤヂ」
ですが、広末涼子のドラマかなんかで田村正和が出ていたのに、そんな名前のがありませんでしたかね?検索してみると・・・・あ、10数年前のTBSの東芝日曜劇場で、
「オヤジぃ。」
というタイトルでした。「ヂ」ではありませんでした。2010年10月~12月放送。見てないけどタイトルだけ知っています。脚本は「家政婦のミタ」と同じ遊川和彦さんでした。
(2012、2、16)