新・ことば事情
4609「誤認逮捕」
今から15年前の1997年5月、千葉県流山市の会社員・田島由美さん(当時24)が自宅で殺された事件で、2012年1月18日、当時17歳だった男が逮捕されました。千葉県警は会見で、
「真犯人を逮捕しました。当時、誤って逮捕された方々、およびその関係者の皆様に心からおわび申し上げます。本当に申し訳ありませんでした」
と謝罪しました。
千葉県警は事件当時、被害者の家族3人を「誤認逮捕」していたのです。「冤罪」ですね。
このニュースを聞いていたら、
「15年前、千葉県流山市で女性が殺害され、3人が誤認逮捕された事件で」
というふうにアナウンサーが読んでいました。それを聞いて私は、
「3人が5人逮捕された事件?合わせて8人か?」
というふうに「5人」、いや「誤認」してしまいました。
「誤認逮捕」
という熟語は認識できますが、そこに人数が入ってくると、目で文字を見れば間違わないけれど、耳だけで聞いていると紛らわしい。
「4人が誤認逮捕」
とかのケースも出てくると、
「4人か5人か、どっちやねん!」
と怒鳴りたくなるぐらい分かりにくいです。やはり、
「誤って逮捕された3人」
のような言い方をしたほうがいいのではないかと思ったのでした。