新・ことば事情
4607「アクビノビス」
7年ぶりに改定された『新明解国語辞典第7版』を読んでいると、
「欠伸」
という漢字表記が出てきました。もちろん、ご存じのようにこれは、
「あくび」
と読みます。それはいいのですが、「表記」のところに、
「今日の用字『欠伸』は、もとアクビノビスと訓(ヨ)んだ」
とあるではないですか!
「アクビノビス」
って何、それ?「アクアポリス」か!「もと」ってどのぐらい「もと」なの?
「第6版」にもこれは載っていましたが、まったく同じ表記なので参考になりません。『新明解』の見出し語に「アクビノビス(あくびのびす)」はありません。
仕方がないので、『精選版日本国語大辞典』を引くと、載っていました!
「あくびのびす」(欠伸)=手足を伸ばしてあくびをする。<用例>『観智院本妙義抄』(1241)「欠伸 アクビノビス」
ああ、「もと」というのは鎌倉時代のことだったのですか。それは知りませんでした。今からざっと900年近く前ですねえ・・・。