新・ことば事情
4601「排雪」
2012年1月24日の「ミヤネ屋」。北海道の大雪で、雪かき作業をしている北海道の人のインタビューの中に、
「はいせつ」
という言葉が出てきました。
「排雪」
という字を当てていましたが、向こうでは普通の言葉なんでしょうね。「除雪」しただけではどうしようもないので、除雪した雪を捨てる(北海道方言では「投げる」)ことが必要なのでしょう。ひと晩で11トンダンプで30回も捨てに行かないといけないとは・・・雪との闘いなのですね・・・。
Google検索(1月26日)では、
「排雪」=114万件
も出てきました。ウィキペディアによると、
「排雪(はいせつ)とは、積雪地で除雪や雪下ろしの結果として出てきた雪を、邪魔にならない場所に移すことである。周囲に空き地が多い所では排雪はほとんど問題にならないが、特に都市で深刻な問題になる。」
のだそうです。
『広辞苑』を引いてみたら・・・なんと「排雪」、載っていました!
「排雪=積雪をおしのけのぞくこと。除雪。」
『精選版日本国語大辞典』にも載っていて、用例は1936年の平井喜久松という人の『鉄道』という作品です。
「牽引機関車に排雪器を取り付ける方法」
小型の『三省堂国語辞典』にも載っていました。
「排雪」(文)=(1)積もった雪を取りのけること。(例)「排雪車」(2)積もったところから取り除ける雪。(例)「排雪が川につまる」
おお、これは詳しい。「行為」と「物」の両面から「排雪」を述べています。特に「物」のほう(2)の用例の「排雪が川につまる」というのは、雪国の人たちが雪で困っている様子が目に浮かぶようです。こればっかりは、住んでみないとわからない感覚のように思いました。でも、国語辞典ってこんな言葉まで網羅しているんだなあ。