新・読書日記 2012_013
『アホ大学のバカ学生~グローバル人材と就活迷子のあいだ』(石渡嶺司・山内太地、光文社新書:2012、1、20)
大学と大学生の今、そして振り返っての歴史が分かる本。
大学を出て20数年、入学からでは30年余り。2006年からは前期だけ大学生を教えているとはいえ、非常勤で年に十数回行くだけでは、大学の全体像は私には分からない。今、大学がどうなっているのか、就職関連およびその学力低下対策に関して、かなり具体的に分かった。ちょっとビックリするとともに「やっぱり!」という気もしている。それは、たとえば一部の若手社員の教育の際に感じる違和感。「こんなことも知らないのか?」「習ってないの?」という戸惑い。たまたまうちの若手社員(の一部)がそうなんじゃなくて、おそらく「うちがそうだということは、よそもみんな、そうなのではないか?」と、うすうす思っていたことが、これで明らかになった。大学がそこまで頑張っている(ケースもある)のなら、われわれも社内で教育に頑張らねば。すでに頑張っているけど。
また最近、知らない名前の大学が増えたが、「あ、あれはそう変わったのね」というように「目からうろこ」の事例も。女子大が共学になって名前が変わったという例も多いようだ。勉強になった。
刺激的なタイトルだが・・・石渡さん、内容はしっかりしているのに、こういうタイトルだと、ケンカ売られるでしょ?共著の山内さんは国内の四年制の784大学すべてのキャンパスを訪れたという、まさに「足で書いた本」ですな。
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