新・読書日記 2012_016
『宮澤賢治、ジャズに出会う』(奥成達、白水社:2009、6、30第1刷)
新聞緒書評で見かけて、「宮沢賢治」と「ジャズ」という組み合わせの妙に惹かれて、去年の11月下旬から読み出して、ようやく読了。(当初、「2011読書日記211」で書く予定が、なかなか読み終わらずに、年をまたいでしまった・・・)
去年東日本大震災があって、岩手出身で「明治三陸大津波」の年に生まれて「昭和三陸大津波」の年に37歳で亡くなった詩人・宮沢賢治に、これまで以上に注目が集まっているのではないか。もっともこの本は、2009年に出たものだけれども。
文章はちょっと硬くて、構成も引用が多く、字の分との区別が分かりにくいことや、宮沢賢治とジャズの関係があるのは最初のほうだけで、あとは話が広がりすぎで、興味深くはあるが、読みにくかったというのが実感です。
宮沢賢治の詩や文章に音楽がベースに流れているというのは本当だろうなと思う。
最近良く耳にする「タブレット」、「i-Pad」など「情報携帯端末」のことだが、私などが「タブレット」と聞いて思い浮かべる「錠剤」の意味の「タブレット」以外にも、こんな「タブレット」を宮沢賢治は使っていた。
*「こつちは最終の一列車だ シグナルもタブレットもあつたもんでなく とび乗りのできないやつは乗せないし とび降りなんぞやれないやつはもうどこまででも載せて行つて 北国あたりで売りとばしたり」
これは大正15(1926)年、同人詩誌の『銅鑼』編集発行・草野心平)7号に発表された「『ジャズ』夏のはなしです」という詩。
それを改稿した「岩手軽便鉄道 七月(ジャズ)」という作品は『春と修羅第二集』に収録、とありました。
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