新・ことば事情
4595「お電話口ご本人様でしょうか」
1月18日、いつも泊まるビジネスホテルに予約の電話をしたところ、フロントの係の女性がこう言いました。いや、何かを言ったのですが、よく聞き取れませんでした。というか「何を言っているのか、意味がつかめなかった」
のです。聞き直したら、こう言っていたことが分かりました。
「お電話口ご本人様でしょうか」
それがわかった瞬間、けっこう、ムッとしました。
本人にきまっとるやんけ。
いや、それは必ずしもそんなことはないのでしょう。でももっと不思議に思った、ムッとしたのは、
「お電話口」
という言い方です。省略形なのでしょうか、本来は、
「いま、お電話をおかけいただいているのは、道浦様・ご本人様でしょうか?」
と言うべきでしょう。
「お電話口」
って、どの口やねん!とっても不愉快です。
しかも「お電話口」の後に、「は」という助詞も「間」もないのですから、急に何を言い出したのかと思うのは、自然ではないでしょうか?
もしかしたら「業界用語」なのかもしれませんが、私はホテル業界の人間ではありません。お客様に業界用語を使うのも失礼だと思います。意味が通じないんだから。
なんか、「丁寧」の膜をかぶった、嫌な言葉です。