新・ことば事情
4588「ラップのアクセント」
12月5日の読売テレビの夕方のニュース「ten!」で、大阪・堺市で象印マホービンの元副社長が殺害された事件を取り上げた際、
「被害者の顔には、ラップが何重にも巻かれ」
という表現を、男声ナレーターは「平板アクセント」で
「ラ/ップ」
といい、インタビューを受けた神戸大の教授は「頭高アクセント」で、
「ラ\ップ」
と言っていました。どっち?
と、思っていたら、読売テレビ・夕方のニュース情報番組『ten!』の清水健キャスターが、
「アクセント、どっちでしょうか?」
と聞いてきました。
「ナレーターさんはみんな『平板』、僕も普段は『平板アクセント』でしゃべっていますが、NHKのアクセント辞典を見ると『頭高アクセント』しか載っていないんですよ。東京の局も含めて注意して聞いていましたが、バラバラですね。『平板』が多いようではあるんですが・・」
とのこと。
新聞用語懇談会の放送分科会でも、「新しい外来語のアクセント」について今審議しています。日本語(カタカナ)で書くと同じ表記になってしまうものの、アクセントが違う、あるいは意味が異なる外来語のアクセントの区別の一覧表を作る作業です。
その中で「ラップ」は、
ラ\ップ(lap)=トラック1週・プール片道または1往復
ラ/ップ(wrap)=包装 ラップフィルムの略
ラ/ップ(rap)=リズム中心の音楽・歌唱手法
と事務局が作ってくれた「たたき台」ではなっていますが、次回の放送分科会(2月)でこれについて審議する予定です。