新・ことば事情
4572「お銚子と徳利」
2011年12月3日の日経新聞の「生活発見」というコーナーで、ライターの松田亜希子さんという方が、
「その違いわかりますか~銚子と徳利」
というタイトルでコラムを書いていました。そういえば「お銚子」と「徳利」、どう違うのでしょうか?「徳利」の方が大きいようなイメージが。
コラムによると、「銚子」は本来、
「鍋形の容器に長い柄や下げ手が付いていて、今でも正月のおとそや神前結婚式の三三九度などに用いられる酒器のこと」
なんだそうです。
えー、あれが「銚子」だったのか!地名の千葉の「銚子」とは関係ないのかな?
それが、鎌倉時代から江戸時代にかけて柄が短くなり急須形になって素材も鉄から磁器に変化し、やがて江戸後期には、湯の中に入れて燗(かん)をつけそのまま出せる徳利が宴会の主流になり、
「お銚子=燗徳利」
を指すようになったと。そして「酒器の代名詞」として「銚子」と「徳利」と混同されるようになったそうです。
ふーん、勉強になるな。たしかに、出てくるのは「徳利」であっても「銚子」であっても、
「お銚子、2本追加ね」
とは言っても、
「徳利、2本追加ね」
とは言いませんし、「お銚子」といった時には「燗(かん)」をつけたお酒(日本酒)のイメージがありますね。「冷酒」のときは、
「れいしゅ」あるいは「ひや」
と言いますが、「ひや」は「徳利」で出てくるのかな。
次に飲みに行った時に、よく注意してみます。とはいえ、飲んでしまえば忘れてしまうのですが・・・。