新・ことば事情
4563「押し買い」
京都市伏見区で女性が殺害された事件で2012年1月12日に逮捕された21歳の男は、
「押し買い」
の業者とみられる社員でした。
「押し売り」
ではなく、「押し買い」。私は初めて耳にした言葉です。どういうことかというと、
「宝石や貴金属を買い取ります」
と自宅を訪れて無理やり(安い値段で)買い取る業者を、
「押し買い業者」
と呼ぶのだそうです。金の高騰もあり、去年あたりからこういった「押し買い業者」が社会問題化してきているのだそうです。
ただ、報道のデスクによると、
「これが法律に触れるかどうかは微妙で、現時点では事件というより消費者問題の域にとどまっている」
とのこと。
G00gle検索では(1月12日)
「押し買い」= 15万0000件
「押し買い業者」=1万6400件
でした。ネットの朝日新聞の記事(2011年9月30日)によると、
「自宅に突然押しかけた業者が、強引に貴金属を買いたたく、いわゆる『押し買い』の被害が急増」しており、消費者庁は、クーリングオフ(解約)制度が適用できるように特定商取引法の改正案を2012年の通常国会に提出する方針なのだそうです。報道のデスクが言っていたように「押し売り」は規制されているのに対して「押し買い」には消費者保護の法律がまだなく、全国の消費生活センターに寄せられた相談は、2009年度に138件だったのが、2010年度は2420件。2011年度は9月29日までで1857件の相談があったそうです。高齢社会でお年寄りが増える中、こういった強引な商売(?)が横行する社会・・・いやな世の中です・・・。