新・ことば事情
4556「伝記本」
2011年10月25日の「ミヤネ屋」で、亡くなった「スティーブ・ジョブズ」について書かれた本のことを、
「自伝」
とするう紹介のスーパーが発注されていました。しかし、この本はジョブズが自分で書いているのではないですから、「自伝」ではありません。「自伝」は当然、
「自分で書いたもの」
ですね。自分以外の人が書いたものは、
「伝記」
でしょう。この本の著者はウォルター・アイザックソンという人でした。「アイザックの息子」か。アイルランド系かな?(まあ、ジョブズの「聞き書き」ある意味「語りおろし」のような部分があるのかもしれませんが。)
翌日、今度は、
「伝記本」
という表現が出てきましたが、「伝記」の中には「本」という意味も含まれているので、「伝記本」も×。「伝記」でよいのです。
なぜ「本」を付けた「伝記本」なんて言い方をしてしまうのか?おそらく最近は「伝記」を読まなくなっているからではないか?だから「伝記」だけだと足りないと思って「伝記の本」=「伝記本」としてしまったのではないか?と推測します。
ちなみに『広辞苑』で「でんきぼん」を引くと、
「電気盆」
という言葉が出てきました!なんだ、「電気盆」って!?
「電気盆」=静電誘導を利用して電気を集める実験器具。金属板に絶縁柄を付したものとこれをのせる封蝋(ふうろう)またはエボナイトの盆から成る。
・・・と言われても・・・・あまり想像が付かないのですが。