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『道浦TIME』

新・ことば事情

4550「ごんがいに」

 

朝から後輩の女性アナウンサーが、憤慨していました。

「北京からの中継を見ていたら、支局の記者が、『ゴンガイに』って言ってるんです。何のことだろうと思ったら『言外に』のことなんですよ。読み方も知らないのって恥ずかしいですよね。それ以外でも情報番組の女性リポーターがゲストを紹介するのに『尽力を尽くされた』って今朝言ってました。重複だって気づかないなんて、どういう感覚をしているんでしょう!」

かなり怒っていました。

「言外」を「ごんがい」・・・うーむ、かなり重症ですね。「言語道断」からの類推「言」を「ごん」と読んでしまったのでしょうか?

こういったことが起きる理由の一つは、目で見る文字と耳で聞く言葉が乖離しているからではないでしょうか?これは「声に出して読みたい日本語」の斎藤孝さんが言うように、

「『音読』をしてきていれば防げた」

ことかもしれません。「黙読」で読んでいるときは、文字の意味が取れればよい訳で、読み方にはこだわらない。かなりのインテリの方でもそういう態度に陥るおそれがありますからね。

われわれアナウンサーは「文字の音声化」が仕事ですので、そこにこだわりますが、書くことが主な仕事の方は、意外と読み方は気にしていない人が多い・・・というのが、これまでの実感です。

でも、みんなが知っている言葉を間違うのはやはり恥ずかしいですね。え?みんなが知っているとは、もはや言えない状況になっているって?・・・・そうかもしれません・・・ハア困ったものだ・・・。

 

(2011、12、20)

2011年12月24日 12:35 | コメント (0)