新・ことば事情
4549「せいて寝られへん」
風邪が流行っているようです。インフルエンザかも。
町ですれ違った女性の二人組が話している声が耳に入ってきました。
「きのう、せいて、寝られへんかった」
つまり、
「昨夜は咳がひどくて寝られなかった」
という意味ですね。この、
「せいて」
というのは、原形(元の形)は、
「せく」
ですよね。つまり「咳をする」ことを「せく」というのは、「標準語」か?それとも「関西弁」か?それが気になりました。
「あせる」「気がはやる」という意味での
「気がせく」
も、「関西弁」だと、
「気がせいてしゃあない」(気がはやって仕方がない)
のように「せいて」を使いますが、それとこの「せいて」は意味が違うでしょう。
『広辞苑』で「せく」を引いたら・・・載っていました!標準語だったのか!
「せく(咳く)」=せきをする。しわぶく。
シブイ。もしかして『新明解』では、「老人語」かな?手許にあるのは「第6版」ですが、引いてみよう。
「せく(咳く)」=(「塞(セ)く」と同意)せきをする。
「老人語」ではありませんでした。
たまにしか耳にしないけど、今も生きているコトバなんですね!ゴホン!!
せいてもた。