新・ことば事情
4544「抗拒」
12月6日の「ミヤネ屋」で、柔道の2大会連続金メダリスト・内柴正人選手が「準強姦」容疑で逮捕されたというショッキングなニュースをお伝えしました。その中で、「準強姦」の刑法条文の中に、
「抗拒」
という言葉が出てきました。「抵抗」「抗議」の「抗」と「拒否」の「拒」は、ともに常用漢字ですが、この2つがつながった形の「抗拒」という熟語は、見慣れない言葉です。
2つ、くっついた熟語としては難しいので、フリップ(川田アナウンサー読み)には、常用漢字だけれどもルビを、
「こうきょ」
と振りました。『精選版日本国語大辞典』を引くと、
「抗拒=手向かいして拒むこと。抵抗して相手の行為を妨害すること」
とありました。法律の専門用語ですね。耳で聞いたら、なかなか「こうきょ」から「抗拒」という文字を思い浮かべることはできないでしょう。
あまりこんな言葉を、目にしたり耳にすることがないようになるといいのですが・・・