新・ことば事情
4543「2000本の風船」
12月8日の産経新聞に、東日本大震災の被災地に出向いてバルーンアートと落語を披露したイギリス人・女性落語家のダイアン吉日(きちじつ)さんの記事が出ていました。ダイアンさんには前に一度、とあるシンポジウムでお目にかかったことがあります。その中で、バルーンアートの風船の数をさして、
「2000本の風船」
という表現が出てきました。「風船」の数え方は、『数え方の辞典』(飯田朝子、小学館)を引いてみると、
「個、つ、枚」
となっていて、
「ふくらませたものは『個』、ふくらませるマエのものは『枚』で数えます」
と記されていますが、「本」はありません。しかし、バルーンアートで使われる風船は、ふくらませる前に見ると、たしかに細長い。甲子園球場で7回裏に飛ばす、
「ジェット風船」
のような形ですね。あれは形状から言うと「本」という数え方は納得できます。
『数え方の辞典』が出たのは2004年の4月、そろそろ改訂版が出ないかなあと思いました。