新・読書日記
2011_234
『問題な日本語4』(北原保雄・編著、いのうえさきこ・絵、大修館書店:2011、12、20)
ご存じベストセラー『問題な日本語』シリーズの第4弾が、人知れず・・・と言うことはないと思うのですが、いつの間にか出ていました。言葉に関する「4コママンガ」は、4年前に私が単行本の言葉の監修をしたこともある漫画家の「いのうえさきこさん」が、これまでのシリーズに引き続き書いてらっしゃいます。お元気のようですね!何よりです。
それにしてもたくさん、「問題な」日本語はあるものですね。「世に盗人のタネは尽きまじ」・・・ならぬ、「世に言葉のタネは尽きまじ」ですねえ。
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(2011、12、27読了)
2011年12月31日 10:51
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新・読書日記
2011_233
『ことばの知恵・知識事典~現代言葉調 追録第15号』(共著、ぎょうせい:2011、12、21)
ルーズリーフ式の本。2003年にバインダーつきにものが最初に出て、それ以来、半年に1回のペースで新たな項目を書き足して15回目。私も最初から、15人ほどいる執筆者の一人として参加している。今回私は、「天敵」「母音の無声化」「泥臭い」の3編を書きました。それも含めて、新たに35の言葉のコラムが追加されました。よろしければ、どうぞ!って言っても、普通の書店の店頭にはなくて、「ぎょうせい」が直接販売しているので、そちらのホームページをご覧ください。あ、宣伝だな、こりゃ。でも8年のときを経て、本当に「言葉の事典」になっています。それは請け合います。
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(2011、12、27読了)
2011年12月30日 12:47
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新・読書日記
2011_232
『相性』(三浦友和、小学館:2011、11、19第1刷・2011、12、7第2刷)
語り下ろし。映画『レールウェイズ』のパブリシティー。豪華版パンフレット・・・のようなもの。印税は募金。そういったことを「まえがき」に書いてあるのが潔い。
「山口百恵の夫」
という枠からなかなか抜け出せなくて悩んだこと、高校時代からの友人・忌野清志郎との交友など、興味深い内容。でもまあたしかに「豪華版パンフレット」。タレント本が好きな方は、どうぞ。1470円(=本書の値段)出して・・と言うなら、まず映画を見た方がいいのかなあ。「父兄会」という言葉遣いが、「今風ではない」感じでした。帯の文句は、
「映画公開に合わせてすべてを語った 初めての自伝的『人生論』」
やっぱりいろいろ、覗き見してみたい感じはしますよね、スターの一家の秘密、というか。
よく売れているそうです。
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(2011、12、4読了)
2011年12月29日 12:21
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新・読書日記
2011_231
『残念な会議の救出法』(山崎将志、日経ビジネス人文庫:2011、12、01)
「残念な××」のネーミングで有名な、何冊か私も読んだことがある方の著書。
読みやすそうで、でもよく読むと、結構難しい。
しかし「会議の進め方」に関する項目は「たしかにそうだ」と思われることが書いてあった。読んでいる途中のこと、いつもの会議が混乱したので仲介役を私が買って出て、まあまあうまくおさまったことがあった。その仲介の仕方は、この本に書いてあった考えを元にしたもの。ということは、すごく役に立つ一冊じゃないか!
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(2011、12、18読了)
2011年12月28日 18:15
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新・読書日記
2011_229
『ラーメンと愛国』(速水健朗、講談社現代新書:2011、10、20第1刷)
家の近くに「山頭火」というラーメン屋さんがあります。お店の人は作務衣を着て、日本手拭い(のようなもの)を頭に巻いています。職人さんふうです。こういった感じのラーメン店を、たしかに最近よく見かけるよな、と思っていたら・・・なんとこの風潮は、日本という国のあり方の流れに従ったものだと!そんな新しい視点から読み解いたこの本、シンプルなタイトルだが、なかなかコクがあって、しかもあっさりと旨味を出している、麺も歯ごたえがあって・・・と、ついつい書いてします。なんといっても目の付けどころが「よい」と思いました。
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(2011、11、21読了)
2011年12月27日 21:07
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新・読書日記
2011_228
『センス・オブ・ワンダーを探して~生命のささやきに耳を澄ます』(阿川佐和子・福岡伸一、大和書房:2011、11、1)
阿川佐和子さんと生物学者で青山楽員大学教授の福岡伸一さんの対談集・・・というか、聞き手は阿川さんで、しゃべり手は福岡ハカセ。(この呼び方は好きじゃないが)
「動的平衡」を説く福岡先生のコメントの中にこういうのがあった。
「生命だけじゃなく自然環境も動的平衡だし、サッカーのチームプレーや政治や経済も動的平衡かもしれないと拡張して考えることもできる。」(92ページ)。
アッと思った。
「これは、バルセロナじゃないか!」
クラブワールドカップで素晴らしいプレーを見せたバルセロナの選手たちの動きは、まるでチームがひとつの有機体として機能しているようだった。まさに福岡先生の言う「動的平衡」のお手本のように見えたのだった。
うーむ、すごいなあ、バルセロナ、そして生き物の世界は。バルセロナというサッカーチームはひとつの生き物です。
「センス・オブ・ワンダー」って、なんかかっこいい響きだな。
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(2011、12、21読了)
2011年12月23日 11:44
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新・読書日記
2011_227
『動的平衡2』(福岡伸一、木楽舎:2011、12、7)
「動的平衡」は「方丈記」である。行く川の流れは絶えずして。福岡伸一と鴨長明。フェルメールとレーウェンフックの共通点!
読むたびに知的興奮が。生命の定義。自己複製。カゲロウは口がない。で、吉野弘の詩、「I was born」を思い出したのは私だけではあるまい。あの詩は中学の時に音読したから頭に残っている。悔しいが斎藤孝は正しい。
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(2011、12、18読了)
2011年12月22日 17:43
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新・読書日記
2011_226
『心を豊かにする言葉術』(松平定知、小学館101新書:2011、8、6)
言葉を大切にしている10人のひとたちと、松平さんの「対談集」。対談後に松平さんの「一言」感想が付いている。
10人とは、山根基世アナウンサー、鴨下信一、半藤一利、藤原正彦、檀ふみ、ジョン・カビラ、佐高信、姜尚中、落合恵子、田辺聖子の各氏。
「出てくる人」(対談相手)に関しては「松平さんの好み」なので、皆さんも好き嫌いはあると思いますが、結局、人の心に伝わるのは、単に「道具としての言葉」ではなくて、「言葉の背後にある、その人の人生経験」じゃないのかなあ。
半藤さんが「絶対」という言葉の虚しさゆえに、「絶対」は使わない、と言うのも、人生経験が言わせているんだなあ。
勉強になる一冊でした。
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(2011、11、27読了)
2011年12月21日 12:43
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新・読書日記
2011_225
『浅田真央はメイクを変え、キム・ヨナは電卓をたたく~フィギュアスケートの裏側』(生島淳、朝日新書2011、12、30)
今月13日に「ミヤネ屋」にご出演いただいた著者の生島さんに話を聞いたディレクターによると、このタイトルは、歩いている時にふと思いついたそうだ。しかし、なかなかキャッチーである。普通は「フィギュアスケート裏側」を「メインのタイトル」にして、「浅田真央はメイクを変え・・・」を「サブタイトル」にすると思うんだけど、逆にしたのがよかったと思います。
フィギュアスケートに詳しいわけでもないし、ものすごく興味があるわけではないけど、氷上のスケートの大会・1回だけではなく、半年のシーズンを通して戦っていて、その戦いの相手には「審判」も含まれることや、国力・経済力が成績に反映されることなど、大きな流れの中(政治力なども含めて)でのフィギュアスケートというものの存在を認知することができた。真央ちゃんとかも大変だな。単純な「スポーツ」(だけ)ではないのですね、フィギュアスケートは・・・。
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(2011、12、13読了)
2011年12月19日 12:25
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新・読書日記
2011_224
『君のいない食卓』(川本三郎、新潮社:2011、11、30)
これはせつなく重く、そしてある意味さわやかに、心に残る珠玉のエッセイ集ではないか。文句なく五つ星。悲しい。せつない。はかなくも深い夫婦愛は、男の子弱さ、女の強さを余すところなく伝えていると思う。あったかい豆腐、さっそく作ってみたい!妻と思わず話し込んでしまった!BGMは当然坂本冬美で『まだ君に恋してる』でしょう!帯がまた悲しい名文「何を食べても、思い出す。~『食』を語ることで、ひそやかに亡き妻を昔のことを記憶にとどめたい。」~文芸・映画評論の第一人者による「食エッセイ」の名品。
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(2011、12、15たった今、読了)
2011年12月18日 12:20
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新・読書日記
2011_223
『女の才覚~日本の女性がなくしてしまったもの』(大宅映子、ワニブックスPLUS新書:2011、12、25)
「ミヤネ屋」にご出演いただいている大宅映子さんの著書。
100歳で大往生した母・大家昌に教わったこと・学んだことを書いたもの。
本屋さんで見つけて、「前書き」部分を立ち読みしていたら、
「最近の若い人は、『なでしこの花』がどんな花かも知らないことが、テレビ番組の中であきらかになった」
という記述が。
「あ、これって『ミヤネ屋』で『なでしこジャパン優勝』の後に『なでしこの花ってどんな花?』という企画をやったときのことじゃないか!?」
と思って購入。翌日の「ミヤネ屋」にご出演いただいたあとの大宅さんに、
「ご本の前書きは、『ミヤネ屋』のことですよね?」
と伺うと、「そうよ」とおっしゃってました。
昔は家庭の中で自然と教わっていたようなことが、下の世代に伝わらないことに危惧を感じてらっしゃると。その意味で、古希を迎えた大宅さんが、これまでにお母様から学んだことを残しておこうと。真っ当な本です。
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(2011、12、13読了)
2011年12月17日 12:18
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2011_222
『泣きたくないなら労働法』(佐藤広一、光文社新書:2011、11、20)
派遣スタッフの勤務管理などもやっているので、こういうものも勉強しておかなくては、と。うーん、わかりやすく書かれているので、大体はわかりました。著者も、自分の親が経営していた町工場がつぶれるまで、まさかこんな仕事をするとは思っていなかったと。
なかなか難しいものですね。
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(2011、12、12読了)
2011年12月16日 19:10
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新・読書日記
2011_221
『社畜のススメ』(藤本篤志、新潮新書:2011、11、10)
刺激的なタイトル。著者は私と同い年、大阪市大卒、元USEN取締役。主に入社1~5年目ぐらいの人を「読者」と想定しているように思う。勝間和代さんなどの著書が、凡人に間違った考えを与えやすいなど、やんわりと。冒頭に山口瞳が出てきたり、「白書」からのデータの引用など、タイトルの過激さとは異なり、やさしく説明しているように思える。企業の歯車、つまりチームワークを身につけることが、若いうちは大事、個性の発揮はそのあとに自然に、と。「送りバントは嫌い!俺は全打席ホームランを狙いにいく」...ほうがかっこよくておもしろいが、そんなにうまくいくはずない。そんな感じか。
「社畜」という言葉を広めたのは「佐高信さん」だとも。そうだったか。そうだったような気がする。たぶん、今から20年ぐらい前ですよね。今見ると、かえって新鮮。
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(2011、12、12)
2011年12月14日 20:28
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新・読書日記
2011_220
『へんなことわざ』(のり・たまみ、角川文庫:2011、10、25)
タイトルも著者の名前も、全部平仮名。なんとなく"脱力感溢れる"一冊。世界には「ふえー、そんなことわざがあるの!?」というものがあるんですねえ。地球は広い。
見開きで「ことわざ」と「その解説」が載っているので、気楽に少しずつ読めます。
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(2011、11、27読了)
2011年12月14日 12:16
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新・読書日記
2011_218
『つながる読書術』(日垣隆、講談社新書:2011、11、30)
日垣隆を読んでいる、とは大きな声では言えない...言いたくない気がする。これと同じような感情を持ってしまうのは、斎藤孝と香山リカだ。なんでだろう?
共通点は、年齢が少しだけ(私より)上で、文章が断定的・上から目線、ということではないかと。いつもおもしろそうなタイトルや内容だけど、すぐに手を出すのはためらわれる。読書術に関しては人それぞれだし、全体から見れば明らかにたくさん本を読む部類の私は、他人の読書術に特段の興味はないが、しかしそれでも読んでしまった。
読書会というのは、参加したことがない。ちょっと興味を引かれた。
「読まずに死ねない厳選100冊の本!」は参考にします。この中の4分の1は既に読んでいましたが。「読まずに死ねない」(「読まずに死ねるか!」)は内藤陳、ですね?
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(2011、12、11読了)
2011年12月13日 12:02
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新・読書日記
2011_217
『年賀状の戦後史』(内藤陽介、角川oneテーマ21:2011、11、10)
この時期にピッタリの本。内藤さんから頂きました。
以前、ライフワークの「戦後記念切手シリーズ」の番外編で「年賀切手」について既に内藤さん書いているが、今回は、あれよりももう少し一般的にという視点でもって「新書」で出されたのだと思う。実際「そうだったのか!」と興味を引く事例がたくさん載っている。今年は東日本大震災で、年賀状に「(あけまして)おめでとう!」と書いてもいいものかどうか・・・なんて思っている人もいると思うが、過去のもそういった状況のときがあったとか、年賀状と年賀切手に関する様々なお話が満載。年賀状を書くのに疲れたら、ちょっとこの本を紐解いてみるのもいいかと思います。
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(2011、12、2読了)
2011年12月12日 19:15
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新・読書日記
2011_219
『新明解国語辞典・第七版』(三省堂、山田忠雄・柴田武・酒井憲二・倉持保男・山田明雄・上野善道・井島正博・笹原宏之:2012、1、10)
7年ぶりに改訂された第七版!待ってました!今回は笹原宏之さんもメンバーに入ってますね。同世代の早稲田の教授。国立国語研究所時代に一度お会いしています。またアクセント関係は上野善道さんが。お会いしたことはないですが、お名前はよくお聞きしています。山田忠雄主幹が第5版編纂中に亡くなり、そのあとをついだ柴田武さんも亡くなり、辞書を連綿と作り続けるということがいかに大変か、よくわかります。そのあたりは三浦しをんさんの『舟を編む』をぜひお読みください。
さて、第七版、これからじっくり読むとして、パラパラと二時間ほど、買ってきた日に読んで気付いた間違い、「ワン」の3番目の意味、野球でワンストライクの意味だと書いてある用例がワンスリー、またワンボールの意味だと書いてある用例がツーワン。これは第5版から変わっていませんが、近年、ストライクとボールのコールは、メジャーリーグにあわせて、ボールが先でストライクが後に変更されましたから、この用例は間違いです。しかもまだ慣れてないので、ワン・ツーのような言い方はあまりしない。ワンボール・ツーストライクのように言ってます。そのあたりの事情が反映されていないのは、スポーツ用語の担当者がいなかったのではないでしょうか?今回の東日本大震災に触れている序文は必読でしょう。また、福島原発の事故関連で、「除染」が見出し語に入りましたが「建屋」が入っていないのは残念。「カルボナーラ」は載っていたが「ジェノベーゼ」は載っていない。さあ、これからじっくり読むぞう!
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(2011、12、06購入)
2011年12月13日 19:00
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新・読書日記
『気仙沼に消えた姉を追って』(生島淳、文藝春秋:2011、11、25)
著者は生島ヒロシの実の弟。4人兄弟の末っ子で、ヒロシとは17歳も年が離れている。スポーツライター。震災以降、生島ヒロシさんが、妹さんの消息を追っていることは、ミヤネ屋でもお伝えしてきたが年の離れたスポーツライターの弟さんがいて、"姉"の行方を捜しているとは知らなかった。プロローグに始まり第5章までとエピローグがあるが、真ん中の第2章から第4章は生島さんの姉の話とは直接関係ないので読み飛ばして、最初にプロローグ、第1章、続いて第5章、エピローグを読んだほうがわかりやすい。
文体が、
「ああ、『ナンバー』なんかに出てくるスポーツライターの文体だなあ」
と感じた。
なお、あす12月13日(火)の「ミヤネ屋」に著者の生島淳さんが、本業の「スポーツライター」としてご出演されます!
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(2011、12、11読了)
2011年12月12日 18:55
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新・読書日記
2011_215
『それでも日本は原発を止められない』(山名元+森本敏+中野剛志、産経新聞出版:2011、10、11)
山名元さんを柱に、対談を集めたもの。
中野剛志氏はラジカルだ。山名氏は年の功、冷静。いつ森本先生が出てくる?と思ったら、後半に出てきた。さすが森本先生の論理は説得力がある。
この間から思っているのだが、「エネルギー問題」は「国防問題」であるといった視点抜きで語ることはできない。歴史を振り返るに、「太平洋戦争」も結局「ABCD包囲網」で石油を断たれたそう大日本帝国が石油を求めて「大東亜共栄圏」なるものを主張して、その勢力範囲を軍事的に伸ばさざるを得なくなった一面がある。でも原発はやめなければならない。いつやめるのか?すぐ?5年後?10年後?で、エネルギーはどうする?そういったことを総合的に考えなくてはならない。そのためのベースになるネタを提供してくれる。
原発の輸出について山名氏が、
「技術力を供与することで世界に貢献するためにも、粛々と売っていくべきでしょう。」(150ページ)
と発言しているが、12月2日の読売新聞、アメリカが原発を34年ぶりに新規建設する見通しとなったことを受けて、
「原発の安全世界で競う~日本勢、輸出に注力、新興国が技術へ信頼」
という見出し。東芝がタービン周辺の大型機器を1日、輸出したのだ。こういった動きも注視しなくてはならない。
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(2011、12、2読了)
2011年12月 9日 10:28
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新・読書日記
2011_214
『あらゆる領収書は経費で落とせる』(大村大次郎、中公新書ラクレ:2011、9、10第1刷・2011、10、30第4刷)
元国税の役人だった著者が、「税金」と「経費」について国税側がどう考えているか?ということをベースに、「ここまで経費で落とせる!ただし・・・」というようなことを、具体例を挙げて書いています。勉強になります。特に自営業の方などは。経営者はなぜ「経費」で「高級外車」を買うのか?という話や、「キャバクラ代も経費で落とせる」という極端な例も書かれていて、まあ話半分ぐらいで・・・でも参考になるなと思いながら読んでいました。読み終えた頃に、なんと、本当にキャバクラ代を経費に計上していた国会議員が出てきました。税金でそれをやるとは・・・思わず「あの国会議員もこの本を読んだのかな?」と思ってしまいました・・・。
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(2011、11、29読了)
2011年12月 7日 10:21
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新・読書日記
2011_213
『養老孟司の大言論Ⅰ・希望とは自分が変わること』(養老孟司、新潮社:2011、2、25)
養老先生の話は難しい。一つ一つはなるほどと思うし、全体で主張したいことはわかるのだが、その一つ一つのつながりがわかりにくい。階段を一つ飛ばしで上っているような感じだ。つなぎ部分がわからない。独創的な人は自分はわかっているから省略をする。凡人はその飛躍についていけない。もう少しだけ、丁寧に説明がほしい。きってこんなに丁寧に何度も繰り返していろんな例を挙げて説明してるじゃないか!とおっしゃるだろうが、それらの例がことごとく、一段飛ばしなので、例が増えれば増えるほど、謎も増える、そんな印象を持った。これまで何冊か養老本を読んだが、わかりにくいけどところどころわかるのが魅力。「だれだ、『個性あるこの私』、『世界に一つだけの花』なんてバカなことをいった奴は。」(224ページ)なんてところはパチパチパチ!相田みつをや、金子みすゞを批判なく崇拝する人を眉唾で見るのは、こういう養老先生の感性に共感するから。相田や金子の信奉者は決して悪い人ではないが、自分でいい人だと信じて疑っていない部分がある。そこが悪い、と思うのである。きっと養老先生もそれは同じじゃないかなあと思うのです。
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(2011、12、1)
2011年12月 5日 11:30
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新・読書日記
2011_212
『金子みすゞ名詩集』(彩図書社文芸部編纂、彩図社:2011、7、6第1刷・2011、7、15第2刷)
26歳どこの世を去った金子みすゞ。ここ10年ほどブームではあったが、みんなちがって、みんないい的な言葉には私は否定的だったので読まなかった。否定的というのは、相田的な偽善の香りというのではなく、純粋さゆえの100%正義的面に、鼻白む感じがしたからである。その金子がさらに決定的ぬ注目されたのは間違いなく東日本大震災で暴力的に洪水のように流れた公共広告機構のCM、「こだまでしょうか?いいえ、誰でも」、あの詩によると思う。なんか、感じるものがある詩だ。今回初めてまとめて読んでみて、みすゞが生きていた当時(1903~1930)おそらく大正時代、赤い鳥の童話がムーブメントになっていて、その影響を受けているのではないかと思った。たとえば,「土」という詩の一節「いえいえそれは名のない草のお宿をするよ」は、童謡「カナリヤ」の「いえいえそれは、なりませぬ」を想起させる。例の「いいえ、誰でも」も問い掛けて否定で落ち着けるパターンだ。韻文、七五調なども共通するか。
あ、この本を出している「彩図社」って出版社は、郵便学者の内藤さんの本をずっと出しているところだな。
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(2011、11、30読了)
2011年12月 2日 10:27
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新・読書日記
2011_211
『広辞苑の中の掘り出し日本語』(永江朗、バジリコ:2011、7、1)
このアイデアは、いけるな。僕も書けそうな感じ・・・というか、皆さん、自分の「広辞苑の中の掘り出し日本語」を書きとめたらいいのではないか?別に『広辞苑』でなくても、『三省堂国語辞典』でも、『新明解国語辞典』でも『新潮現代国語辞典』でもい『新選国語辞典』でもいいから、「へえー」という言葉の意味と感想を書き留めればいいんだから。あ、もうやってるか、「平成ことば事情」で。辞書にとどまらず、あらゆる事象からそういうことをやってるんだよね。それを「辞書」に限ってやる、というのがミソなのですね。おもしろいと思いますよ。180ぐらいの言葉を取り上げていますが、そのうち20ぐらいは「おっ!」と思うものがありました。
表紙の「広辞苑」の「苑」の草冠のところに、スコップ(シャベル)のイラストがあって「掘り出し」をイメージしているのがかわいいです。表紙の小豆色は、昔読んだ、PHPの松下幸之助の人生君の本みたいな感じの色です。
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(2011、11、30読了)
2011年12月 1日 10:26
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