新・ことば事情
4530「初顔」
大相撲九州場所14日目の中継で、NHKの実況アナウンサーが、
「初顔合わせ」
のことを、
「はつがお」
と言いました。漢字は当然、
「初顔」
と書くのでしょう。「稀勢の里対栃の和歌」の一番でした。「初顔合わせ」の「顔」は濁らないけれど、「初顔」の「顔」は濁るんですね。15日目、千秋楽でも、
「はつがお、初顔合わせ」
と言っていました。
これって相撲ファンにとっては、常識的な言葉なんでしょうか。私はこのところあまり相撲をちゃんと見ていなかったので、新鮮に感じました。
Google検索では、(11月27日)
「初顔」=30万8000件
もあり、『デジタル大辞泉』では、
「はつ‐がお 〔‐がほ〕 【初顔】
1 初めて参加したり登場したりした人。新顔(しんがお)。「―の会員を紹介する」
2 「初顔合わせ3」の略。「―の一番」
と、二通りの意味が載っていました。『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』『三省堂国語辞典』『岩波国語辞典』にも載っていましたが、『明鏡国語辞典』『新潮現代国語辞典』には載っていませんでした。『新明解国語辞典』には「初顔合わせ」の語句解説の中に「初顔」と出てきました。古い言葉、伝統のある言葉のようですね。