新・ことば事情
4524「緊急入院と救急入院」
10月7日の「ミヤネ屋」で、小沢一郎氏が、裁判の後に体調を崩して、急に病院に運ばれ入院したというニュースをお伝えしました。その際の表現で、
「緊急入院」
というのがありました。「緊急」は、
「突然、急いで」
というイメージです。間違いではないでしょうが、ものすごく差し迫った、病状が重いような感じがします。しかし今回は、
「とりあえず、運ばれたのが深夜だったので、そのまま泊まった」
というニュアンスでの「入院」ですので、「緊急入院」は、少し大げさな感じも。
また、これまで「ミヤネ屋」では、
×「緊急搬送」→○「救急搬送」
を使うようにと、スタッフに指導してきました。その意味では「救急」のあとに来るのは「搬送」です。「救急入院」は見慣れない感じです。
今回のケースを「一語ではなく」表現すると、
「救急搬送 深夜に入院」
なのですが、これだと、ちょっともっちゃりしていますねえ・・・。「一語」にするとどうなるか?考え付かなかったので、結局このままスーパーを出しましたが。
ちなみに夕刊各紙(10月7日)の見出しは、
(朝日)小沢氏 緊急入院
(産経)小沢氏 深夜救急搬送、入院
(毎日)小沢氏入院「尿管結石」
(読売)小沢元代表 尿管結石 (本文は「緊急入院した」)
(日経)小沢元代表は尿管結石 (本文は「救急搬送され入院した」)
「朝日」の見出しと、「読売」の本文で「緊急入院」が使われていました。差し迫った感じがしました。