新・ことば事情
4522「大仏次郎」
2011年10月26日の「ミヤネ屋」で、作家の北杜夫さん死去のニュースをお伝えしました。その中で、『楡家の人びと』が
「大仏次郎賞を受賞」
したと紹介しました。この「楡家」と「大仏次郎」にはルビを振りました。普通は「作品名」と「作家名」(人名)には、ルビを振らなくても良いのですが、
「楡家(にれけ)の人びと」
「大仏(おさらぎ)次郎」
としたのです。
川田アナウンサーが読む台本にも「ルビを振っておいてね」とディレクターに頼んだら、
「わかりました!」
という返事。ところが!なんとこれが間違っていたのです。台本のルビは、
「おおらぎ」
と書かれていたのです・・・ただ、本番直前に、私が川田アナウンサーに、
「おさらぎ、だからね」
と念押しをしていたので、川田アナウンサーは、
「台本のルビが間違っているんだ」
ということがわかって、きっちりと「おさらぎ」と読むことができたので、オンエアー上は、なんら、問題はありませんでしたが。
よかった。
でも、OAを見ていたら、北杜夫の父、歌人の「斎藤茂吉」に、
「父・茂吉氏」
と「氏」がついていて違和感が・・・。「茂吉」は、もう「歴史上の人物」だから「氏」が付くとおかしいです。
「夏目漱石氏」
と同じような感じのおかしさです。
でも、これって、「感覚の問題」でもあるんですよね。難しいですねえ・・・。