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『道浦TIME』

新・ことば事情

4521「卵単」

 

いつものように「ミヤネ屋」のスーパーチェックで出てきた病名が、

「多嚢胞性卵巣症候群」

これはかなり難しい病名です。特に「嚢」という字は、書けないし読めない。もちろん表外字(常用漢字ではない)ので、ルビ(振り仮名)を振る必要があります。その漢字に、だけでなく、意味の区切りに振る方が良い(わかりやすい)ので、

「多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群」

とルビを上に振ったらいいねと指示しました。

ところが!

でき上がったものを見ると、ルビはキッチリと振ってあったのですが・・・こうなっていたのです。

「多嚢胞性(たのうほうせい)卵単症候群」

わかりますか?どこが間違っているか。よーく見てください。

そうです。なぜか、

「『卵巣』が『卵単』になっている」

のです!「巣」が「単」に!?

「らんそう」で変換すれば、間違いなく「卵巣」と出るのに、なぜわざわざ「卵単」にしているのでしょうか?そもそも「卵単」って、何?なんと読むの?らんたん?

普通では考えられない間違いですが、どうやら、テロップのオペレーターさんは、

「『文字を読む』というより『デザインとして字体を見ている』」

のではないか?と思うのです。「字体」としては「巣」と「単」はたしかに似ていますからね。しかし・・・たとえ「字体」を見ているのであっても、もう少し、文の意味のことも考えていただいて、「アバウトな自体」ではなく「正確な字体」を打ち出してほしいと、心から願います。

 

(2011、11、27)

2011年11月29日 08:36 | コメント (0)