Top

『道浦TIME』

新・読書日記 2011_208

『おらほのことば』(株式会社カルラ)

 

東北出張の帰り、仙台空港で昼食をとったレストランのレジのところに「ご自由にお取りください」と書かれておいてあった、わずか16ページほどの小冊子。仙台の方言が満載。東北共通の、中には北海道と同じ方言(「ゆるぐねー」→北海道では「ゆるくない」=楽でない、容易でないの意味)もあった。それと、「漢語」が入った言葉や、昔の関西ことばが今も根付いているのだなあと、改めて実感した。たとえば「ざんぞかだる」(=陰で悪口を言うという意味)の「ざんぞ」は「讒訴(ざんそ)」であろう。「讒訴」の意味は「他人をおとしいれようとして、事実をまげてその人が悪いように訴えること」「かげで他人の悪口を言うこと。また、その悪口。かげぐち。そしり。ざんそう」と、まさにそのまんま。また、「こうと」(=地味、の意味)は、そのまま関西方言の「こうと」である。柳田国男の「方言集圏論」をこんな小冊子に見た思いがした。

それにしても、地方の一企業(レストラン)が、こういった「文化」をまさに「こうと」な方法で残そうとしている気概には「素晴らしい!」と感じて機上の人となったのでした。

 

 


star3_half

(2011、11、27読了)

2011年11月29日 19:41 | コメント (0)