新・ことば事情
4519「法廷で吼えた」
2011年0月6日「ミヤネ屋」で、小沢一郎被告の裁判の様子を報じました。その際の小沢被告の様子のスーパーで、当初、
「法廷で吼(ほ)えた」
というものがありましたが、
「法廷という場所で『吼(ほ)えた』という表現はふさわしくない」
という判断で、
「法廷に立った」
という「客観的表現」に直しました。
これが、スポーツ選手が、
「グラウンドで吼えた」
というのであれば、
「闘志の表れとしてOK」
でしょうが、「法廷」で「吼える」のは、
「『威嚇する』ような『マイナスの意味合い』が出てくるおそれ」
があります。そもそも法廷は「吼える」場所ではないので、ふさわしくない上に、
「別の意味合い(主観)」
が入ってしまっています。「スポーツ」に例えることが不要(例えると不自然)のケースもあるということですね。
ところで、「ほえた」を漢字で書くとしたら、
「吼えた」「咆えた」「吠えた」
のどれでしょうか?どれも表外字ではあるのですが。
私の主観で判断すると、
*「吼えた」
「山月記」に出てきた虎が、崖の上で威嚇するために「ガオーッ」と「吼えた」。
*「咆えた」
ブルドッグが威嚇するために「ウウウッーワンッ!」と「咆えた」。
あるいは、ライオンが「ワオーン」と「咆えた」
*「吠えた」=柴犬が「ワンワン!」と「吠えた」。
というところかなあ。