新・ことば事情
4517「光綾なす錦秋の古都」
新聞の広告の見出しに、こんな文字が。
「光綾なす 錦秋の古都」
これって、若い人、読めるかな?と思って、うちの若手アナウンサー(20代)に試してみたところ・・・案の定、こんな風に読みました。
「コウリョウなす ゴウシュウのこと」
なんだよ、その「コウリョウ」とか「ゴウシュウ」って。
でも、これって書き方もよくないと思います。「綾なす」という言葉が見慣れない、こなれていない。それに漢字の「光」をくっつけたものだから、
「光綾」
という、見たこともない熟語ができているように思って、それに「なす」ですから。
「そんな名前の『茄子』があるのか」
と思っても不思議はない。熟語は、「音読み」しちゃいますよね。「光」を平仮名にして、
「ひかり綾なす」
とするか、「光」と「綾」の間にスペースをあけて、
「光 綾なす」
とすれば間違いは極端に減ると思います。また、
「錦秋」
に関しては・・・「錦」を常用漢字にする案が出た時に、「訓読み」の「にしき」は読めるけど「音読み」の「キン」はなかなか読めないという結果が出ていたので、
「やっぱりな・・・」
という気がします。まあ、子どもは読めないね。紅葉狩りを楽しむぐらいの大人になると読めるんだけど。それには年月がかかりますね。