新・読書日記 2011_200
『決断できない日本』(ケビン・メア、文春新書:2011、8、20第1刷・2011、9、1第3刷)
米国務省・元日本部長、「沖縄はゆすりの名人」と発言したと報道されて更迭された人。
どんな弁明を書いているかと思って、読んでみた。
そうしたら・・・結構「目からウロコ」で「ああ、そうだったのか!」ということが書かれている。メアさんの奥さんは、日本人なんだって。
また、「国防」ということを考えると、(大陸側から、太平洋のほうを眺めてみると)、日本列島と沖縄あたりの諸島、そして台湾へとつながるラインは、太平洋の海原に向かおうとする者(つまり中国)にとっては、「かさぶた」のように薄く大陸を覆っていて、その要所要所に「軍事力」があると、囲碁でいう石の置き方のように「くさび」を打つ形になって、中国が太平洋へ出てくるのを阻止できる、というのはよくわかります。中国にとっては、邪魔ですね。沖縄に米軍基地がなければ(中国は)かなり気持ちの上でも「ラク」と言うか、容易にこっちへ出てこられる、そんな感じがしました。基地がグアムまで下がったら出てくるな。少なくとも「囲碁」だったら、石を打ちこんでくるな。「国防」は、攻めてくる「相手の立場・戦略」というものを考える必要があるな。
今回、まず問題なのは「普天間基地」であって、移転しないと騒音などでうるさい上、危険であると。それが第一のはず。次に、移転先として、せっかく動かすのなら「県外」、もっというと「国外」へ・・・と言うのは、例の東京・武蔵野市でしたっけの「ごみ焼却場問題」や、「被災地のがれき」の受け入れ先がなかかかない、という問題にもつながってくる部分があると思う。誰しも、好ましいとは思わないけど、じゃあ、なくしてしまったら困る、誰かに、何がしかの負担をしてもらわないといけない。でも押し付けるだけでなく、その分をみんなで分担して負担しようよ、という「共生」が必要なんでしょうけど・・・これが難しいなあ・・・。やっぱり、決断できない・・・。