新・ことば事情
4505「なむあみだぶ」
京都・長岡京市の「光明寺」で親戚の法要に出ました。浄土宗だそうです。法然上人。
そこで聞いていた読経の念仏が、
「なんまいだぶ、なんまいだぶ、なんまいだぶ・・・」
と、最後の「つ」は言わないのですね。本来は、
「南無阿弥陀仏」
ですから、
「なむあみだぶつ」
となるはずで、実際に一連のお経の中で1回だけ、一番最後のほうでは、ちょっとスピードを緩めて、
「なむあみだぶつー」
と「つ」を伸ばして言うのです。それを聞いて、ハタと思い当たりました。
「『南無阿弥陀仏』の最後の『ツ』は、『母音の無声化』が起きるのだ!だから、聞こえにくいし、続けて言うときには省略されるのではないか?」
と。「母音の無声化」の次に起きるのが「促音化」で、その先には(語尾の母音の無声化の場合などは)「音の脱落(省略)」が起きるのではないか?
同じように、「十三日」という日付を言うのに、お坊さんは、
「ジューサニチ」
と「ン」を脱落させていました。これも「ジューサンニチ」は、
「jyuu san niti」
と「ン」と「ニ」の子音「n」の子音が続くので、省略されているのでしょう。こういったことは、よく起きるのだと思います。
私も、場所が場所だけに、少し「悟り」を開いたのかもしれません。なんちゃって。
「南無阿弥陀仏~」