新・読書日記 2011_193
『かばん屋の相続』(池井戸潤、文春文庫:2011、4、10第1刷・2011、10、5第6刷)
短編を6つ集めた短編集。舞台はやはり東京・大田区の中小企業。こういった短編が、『下町ロケット』や『鉄の骨』といった長編を書くための土台になっているのだなと実感。短編でも、意表を突くどんでん返しやトリックを盛り込んでいるのだなと感心。短編6つのうち5つはまあまあハッピーエンド。そうでないのは1編だけ。長編は、ハッピーエンドでないと読後感が悪い(スッキリ感がない。カタルシスがない)が、短編はハッピーエンドでなくても、いろいろと考えさせられて、深みが出る気がした。
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