新・読書日記 2011_191
『愚の力』(大谷光真、文春新書:2009、10、21)
一般的に使う言葉としても「人間性」という言葉は曖昧で、誤解を受けやすい。人間にはいろいろな可能性があって、善くもなり悪くもなるというのが「人間性」です・・・と書かれているのを読んで「わが意を得たり!」と。
本の帯には、
「大谷光真・西本願寺第24代門主が説く親鸞上人の教えのすべて」
とあります。
「時代の変化は驚くべきことがあるが、変らぬものもある」
として、「除夜の鐘」を挙げています。百八つの煩悩の数だけ突く・・・「除夜の鐘」といえば去年、和歌山の妻の実家で聞いた除夜の鐘には、驚かされました。え?何に驚いたって?兎に角「早い」のです、鐘の音が。早鐘です。普通は「除夜の鐘」って、
「ゴオオーーーーーンンン」
てな感じで10秒ぐらい響いて、そのあと10秒ぐらいは余韻がある。つまり1回の鐘で20 ~30秒ぐらいはかかる。108回突こうと思うと、30~40分ぐらいかかるものです。だから大晦日の午後11時30分過ぎ、紅白歌合戦が終わる少し前頃から突き始めて、元日午前0時を回ったあとに108回を突き終わる。足掛け2年の行事だと思っていたのですが、和歌山のその除夜の鐘は、
「ゴーン・・・ゴーン・・・ゴーン・・・」
という具合に、「5秒ごとに1回鳴る」のです!メトロノームか!
数えたら1分間に10回以上鳴っていました。とすると・・・
「10分少々で108回なり終わってしまう!」
鳴り始めたのは午後11時30分ごろですから、
「年が明ける前に、煩悩の数を突き終わってしまう」
のです!
実際、最初から数を数えていましたが、11時45分ぐらいには「108回」に達してしまいました。どうするのかと思ったら・・・そのあとも、
「109、110、111、112・・・」
と、鐘は鳴り続けます。どんだけ煩悩が多いんや!
あきれて数を数えるのをやめた頃に、ようやく鐘は鳴り終わりましたが・・・変な除夜の鐘でした・・・。あれ?何の話でしたっけ?愚の力か。読んで損はない本だと思います!