新・ことば事情
4495「くさか、あすか」
大阪の東大阪市に、
「日下」
という地名があります。これは、
「くさか」
と読みます。以前読んだ地名の本に、
「東大阪の『くさか』は草深い所で、生駒山の山頂から太陽が昇るところの山裾。それで漢字での表記は『日(の)下』と当てて、以前からの読み方の『くさか』と呼んだ」
と書かれていました。そうか、読み方(呼び名)が先で、漢字表記(意味)があとか!と思いました。また、奈良の「飛鳥」も、もともと「あすか」と呼ばれていたところで、鳥が飛んだので「飛鳥」という字を当てたそうです。
その話をしていて、「あ!」と思いました。
「あすか」「くさか」
は、ともに「か」が付きます。この「か」は、漢字で書くと、本来は
「処」
になって、
「場所を現す古語」
なのではないか?とひらめいたのです。そう考えると、
「どこか」「すみか」
なども「か」が付きます。「すみか(棲家)」は「家」だから違うかな?また、
「いずこ」
の「こ」も、「か」と同じ「カ行」だから似ているのかも。
『精選版日本国語大辞典』で「か(処)」を引くと、
「《語素》名詞または動詞の連用形に付いて、場所を意味する。『山が』『ありか』『かくれが』『すみか』など。く。こ。」
とありました。ピンポーン!当たりです。やっぱりね。
「ゆくえ」「いにしえ」「とこしえ」
の「え(方)」と似ているので気づきました。
「平成ことば事情4042 いにしえ、ゆくえ、とこしえ」もお読みください。