新・ことば事情
4490「まきば」
「ミヤネ屋」の新聞記事紹介のコーナー「ヨミ斬りタイムズ」で、無敗の三冠馬「シンボリルドルフ」が死んだという記事をお伝えした際のこと。担当の後輩アナウンサーが、その「場所」について書かれた、
「千葉県成田市の牧場で」
という一文の「牧場」を、
「マキバ」
と読みました。成田市の「マキバ」はないだろう!「マキバ」は!とみんなで突っ込みを入れたのですが、たしかに「牧場」には、「マキバ」「ボクジョウ」両方の読み方があり、ともに意味は、
「馬や牛などの家畜を放して育てる場所」
ですが、その違いを言うならば、
「マキバ」=「名もない馬や牛が放牧されている草原」
で、一方、
「ボクジョウ」=「放牧のための施設を整え、より人間の支配化におかれたもの」
で、「ボクジョウ」の方が「商業」の香りがします。ということで、競走馬は、
「ボクジョウ」
で飼われています。
「音読み」と「訓読み」、「漢語」と「和語」の感覚は、いろんな文章を読んでボキャブラリーを増やしていくしかないのですが、少なくとも、ひとつの漢字・熟語に、
「ひとつの読み方しかない」
という考えは捨てて、
「(自分は読み方を知らないが)二つ以上の読み方があるであろう」
と「類推」するクセをつけることが重要です。訓練あるのみ!また、事前の「下読み」を今後さらに徹底させることにしました。思わぬところに、落とし穴は口を開いているものです。
ここで、ひとこと。
「人間は、ミスをする動物である」
先日(9月27日)の朝日新聞の「訂正記事」は、
「一部地域で『10日1日の「日本酒の日」』とあるのは、『10月1日の「日本酒の日」』の誤りでした」
というもの。
どこが間違っているか、すぐにわかりましたか?
私は2度読んでようやく気づきました。そうです、最初の方は、
「10日」
になっているのです。もちろん正しくは、
「10月」
です。こんな間違いをしてしまうし、それを見逃してしまう、それが「人間」です。そういったミスを少しでも減らすように、努めようではありませんか!!
そして、失敗を極力防ぐ・減らすだけでなく、
「万が一失敗した場合のカバーリングをどうするかを、様々な失敗を想定して対策を事前に考えておく必要があるのではないか?」
と思いました。これって、「失敗学」なのかな?
「原発」は、それを怠っていました。