新・ことば事情
4478「視覚を失うと・・・」
子どもの頃から目(視力)が悪かったので、
「もし、目が見えなくなったら・・・」
と考えることがありました。目が見えないと、「真っ暗」な世界なんだろうか?とか考えましたが、先日、夜中にふとこんなことを思いました。
「目が見えないと、『真っ暗』。これは光がない状態だが、例えば『白一色』とか、『赤一色』『青一色』でも、『一色』という意味では『黒一色』と同じだから、視覚を"失った"状態。つまり(逆に言うと)『視覚』とは『2種類以上の色のグラデーションを識別できる状態』を指すのではないか?」
と。実際は、視覚を失うと「光」を感じられないのですから、色が感じられるわけはない、その意味では「黒」なのだと思いますが、たしかに2種類以上の色を区別できない「一色」の状態の中では、視覚を失ったのと同じ状態になるのではないか?
それは例えば真冬のスキー場。山の中で猛吹雪に遭った状態を指して、
「ホワイトアウト」
と言いますよね。「白」という色はあるんだけれども、視覚を失うわけです。つまり、見えない。そういう状態はあるのだなと考えたのでした。
これって、「視覚」だけでなくて、「ある考え=常識」で塗りつぶされた時に、方向性を失うということでも同じではないか?
「民主主義の多数決に潜む恐さ」に通じるのではないか?てなことも考えました。