新・ことば事情
4477「『津軽海峡冬景色』の3連音符」
最近よく目に耳にする、ユニクロのコマーシャル。アンジェラ・アキさんが、歌を歌っているだけのCM。歌っている曲は、石川さゆりさんの「津軽海峡冬景色」(三木たかし作曲)です。アンジェラ・アキさんの歌は新鮮ですが、それは石川さゆりさんの歌い方とは違うということ。
アンジェラさんの歌い方を聞いていると、石川さんの歌ではわからなかったものが見えてきました。それは、冒頭の「上野発の夜行列車・・・」の部分の「3連音符」です。石川さんが歌っていたら「3連音符」とは気づかなかったのですが、アンジェラさんの歌い方を聴いて、
「そうだったのか!」
と気付いてしまいました。そして、「津軽海峡冬景色」の出だしと同じような曲も思い当たりました。それは、内山田ひろしとクールファイブの
「長崎はきょうも雨だった」
のバックコーラスの、「ワワワ・ワー」の3連符です。
そしてもう1曲。サザン・オールスターズの、
「お熱いのが好き」
という曲も同じリズムです。これらは音楽の「くくり」でいうと、もしかしたら、
「ブルース」
なのではないでしょうか?詳しいことは分かりませんが。でも、似てるんです。
「タタタ・タタタ、タタタ・タタタ、タタタ・タタタ・ター」
です。でも、歌詞を細かく刻まなければ(「お熱いのが好き」)、
「タータ・タータ、タータ・タータ、ター・ター」
というリズムになってますが、中身は「タタタ・タタタ、タタタ・タタタ」です。つまり、8分音符が6つ「タタタ・タタタ」が1小節ですね。
なんだか急にそんなことが、気になりました。
あ、それと、「大阪発」のアクセントが「ハ/ツ」というように「初」になっている問題の原因は、「津軽海峡冬景色」にあるのではないか?とも思いました。スゴイ思いつき。というのは、
「上野発の」
の部分の音階が、
「ウエノ ハ/ツ\ノ」
というように「初」と同じようになっているのが原因ではないかな?と。それを聞いて育った人はそう覚えちゃったとか。そんなわけはない?とも限りませんよ。