新・ことば事情
4468「緊急入院」
10月6日深夜、初公判を終えた民主党の小沢一郎元代表が急に体調を崩し、病院に救急搬送され入院するという出来事が起こりました。「尿管結石」による痛みであることが分かりましたが、翌10月7日の「ミヤネ屋」での、このニュースの字幕・原稿で、
「緊急入院」
という言葉を使うかどうか、悩みました。たしかに「救急搬送」ではありましたが、「命にかかわる」というような「緊急性」があったとは思えません。「緊急入院」とすると、
「命にかかわるような重病・急病のイメージ」
があるような気がします。しかし、
「救急搬送で入院」
を縮めて、
「救急入院」
という言葉はあまり耳に(目に)したことがありません。結局、
「救急搬送で深夜に入院」
という表現にしました。10月7日夕刊各紙は、
(朝日)小沢氏 緊急入院
(産経)小沢氏 深夜救急搬送、入院
(毎日)小沢氏入院「尿管結石」
(読売)小沢元代表 尿管結石 (本文は「緊急入院した」)
(日経)小沢元代表は尿管結石 (本文は「救急搬送され入院した」)
で、朝日の見出しと、読売の本文で「緊急入院」が使われていました。