新・ことば事情
4466「ベルゼブブ」
読売テレビ系で放送しているアニメ『べるぜバブ』は、拾った赤ん坊が、魔王の子どもだった、ということしか知らないのですが、原作の漫画は大人気だそうです。
さて。その「べるぜバブ」って言葉、ヘンな言葉だなあ、「やるぜ!」って感じかな、造語かなあと思っていたら、なんと映画に出てきました。
ブラッド・ピッと主演の『ベンジャミン・バトン』という映画。生まれたときから老いていて、年を取るに従って若返っていくという数奇な人生。その主人公が7歳のとき、車椅子に乗って(老人の姿で)教会へ行って、牧師の言葉に背中を押されるように、立てるようになった場面で、その牧師が言った言葉(の日本語字幕)が、
「悪魔め ベルゼブブよ 去れ!」
となっていたのです。「べるぜバブ」は「ベルゼブブ」から来ていて、もとは英語にある言葉だったのか!
ネット検索してみたら、ウィキペディアに、
「ベルゼバブ、ベールゼブブとも表記される。新約聖書にもその名がみえる。この名はヘブライ語で『ハエ(一説には「糞山」)の王』を意味する。」
え!「ハエの王」・・・『蝿の王』といえば、ウィリアム・ゴールディングの1983年ノーベル賞受賞作の名前では!?
また旧約聖書には「バアル・ゼブブ」(「気高き主」あるいは「高き館の主」という意味の名)と呼ばれていて、これは恐らく嵐と慈雨の神バアルの尊称の一つだったと思われる、とも書かれています。
そう、つながってくるかあ・・・。