新・読書日記 2011_183
『岳・15巻』(石塚真一、小学館:2011、10、5第1刷)
誰のせいでもない。だって山だから...。
裏表紙の言葉から、僕らは自然との向き合い方を学ぶ。
山岳救助隊員の阿久津くんという不器用な、新米パパが落石事故に...。それを受けて、限られた命の時間を改めて感じた主人公・三歩(さんぽ)は、これまでは一旦お預けにしていた、自分のための5000メートル級の山登りを目指すことを決意する。それは自らへの挑戦であり、自然との闘いである。
巻末のあとがきで著者は、ヘリコプターの牧操縦士のモデルともいえる民間山岳へリ救助隊員の故・篠原秋彦氏を紹介している。
「篠原さんを想起させる表現となったにもかかわらず、ご遺族の方々へのご報告をしないまま今日に至ってしまいました。ご遺族の胸中を察し得なかったこと、申し訳なく思っています。この場を借りてお詫び申し上げます。」
うーん、なんらかの出来事があったのだな。誠に"表現"というのは難しいなあと改めて思う次第。
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