新・読書日記 2011_165
『「怒り」のマネジメント術~できる人ほどイライラしない』(安藤俊介、朝日新聞出版:2011、9、30)
大体この手の本を読むと、怒りっぽい私はすぐに、
「そんなことが出来るくらいなら、こんな本を買って読まない!」
と、かえって怒りに火がつくことが多いのですが、そんな私が怒らずに読むことができた、ということは、なかなか説得力のある本なのではないでしょうか?
大体、この手の本は、
「怒ると、損ですよ」
というような「損か、得か」に話を持って行って、
「ほーら、怒るとあなたにとって損なんですよ。だから怒らない方がいいでしょ」
と丸め込もうとするのですが、こっちは「損・得」で怒っているわけではなく、スジが通らないことは許せないと思って怒っているわけですから、損なことは・・・いや「そんなこと」は先刻承知済み。なのに、そういうスケベ根性みたいな説得をするから、余計に怒りに火がつくのです。
この本も最初はそんな感じで「やっぱり・・・」と思ったのですが、でもまあ、たいていの人は「損をするなら怒るのやめよう」と考えるみたいなので(まあ、私もそれを考えないわけではないのですが、それが「第一義」にあるわけではない)、そこにターゲットを絞るのは仕方がないかもしれません。
この本が、ほかの本と違う(と私が感じた)のは、
「アンガー・マネジメント」
という考え方を持ち出した(紹介した)こと。これが新しいところかな。ベストセラーの他の「怒らない」本よりも、こちらの方が私には向いていました。(万人に通用するというわけでは何けれど。)
私は、音楽記号の「p」を「ピアノ」としか読めない人よりは、「パワー」と読む人の方がなんとなく親しみを感じます。
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