新・読書日記 2011_150
『漢字が日本語を滅ぼす』(田中克彦、角川SSC新書:2011、5、25)
田中克彦先生の本、ということで、おもしろそう(興味深そう)なので買った。が、読みかけたら手ごわそうなので、2か月ほど寝かせておいた。夏休みに気合を入れて読んだ。
「外来語が日本語を滅ぼす」というのなら、おそらく大半の人が「そうだそうだ!」と同調するだろうが、「漢字が日本語を滅ぼす」といわれると、一般人には「なんで?漢字を使った方が日本語が日本語として存在できるのでは?」と思われるが、落ち着いてよく読んでいくと、「なるほど・・・」と思わせる部分も多い。
しかしやはり漢字(表意文字)の利点もある。たとえ「分かち書」きをしても、平仮名やカタカナだけでは文字数も増えるし、読みにくいと思う。漢字・平仮名・カタカナといろいろな表記手段があるのは合理的ではないが、それこそ、現代日本語の日本語たるところであるように思うのだが・・・。しかし、知的刺激に富む一冊ではあった。
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