新・読書日記 2011_141
『いつだって大変な時代』(堀井憲一郎、講談社現代新書:2011、7、20)
著者は『週刊文春』のコラム「ずんずん調査」で知られるが、この講談社現代新書でも、もう5冊目になる。落語関係の著作も多いが、今回は「生き方」の本。講談社現代新書の「メールマガジン」に2010年9月から2011年4月まで連載していたものをまとめたもの、だそうだ。
ということで、「東日本大震災」については「まえがき」と「第7章」「第8章」「終章」で触れている。少し、世の中の見方とは違った角度からの指摘には「なるほど」と思う部分もある。「記憶は上塗りされる」というのは養老先生の話と重なる。また、「東日本大震災」の起きる前に書かれた「第6章」の「無縁社会はみんなの努力の結果である」には、「たしかにそうだ。都市化を進め、核家族を進めてきた人たちが、そろそろ寿命になってきたのだから、当然の帰結として"無縁化"する」と感じた。つまり何事も"中庸""ほどほど"が良いのだ。その"バランス"がいかに難しいかという話かな。「科学だって妄想に過ぎない」という「第2章」も、「そうだ、そうだ」と思った。
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