新・読書日記 2011_137
『官僚の責任』(古賀茂明、PHP新書:2011、7、29)
今までも官僚の告発本はいろいろあったが、これまでの人は"変り者"で、あきらかに組織になじまない人が多かったように思う。しかしこの本の著者は、ちょっと違う気がする。
この本は、「あとがき」の「あとがき」がある。「あとがきを書き終えたあとで」として、校了の3日前の2011年6月24日に、経産省の松永和夫事務次官から退職勧告を受けたと。期日は2011年7月16日だと。もう過ぎてるやん!どうなったんだろ?
そうこうしていたら、8月4日の午前10時のニュースで、海江田大臣が松永事務次官ら3人を更迭すると発表!事務次官側が、斬ったつもりが斬られたか!?
「国のため」を思うのがあるべき姿なのに、「省のため」と矮小化してしまうところに官僚の問題点があるとバッサリ。原発の問題も、監督官庁が原発推進の省内にあるのはおかしいと、これも正論。海江田大臣は、古賀さんの主張と同じ方向に舵を切っているように見える。
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