新・読書日記 2011_144
『先送りできない日本~"第二の焼け跡"からの再出発』(池上彰、角川oneテーマ21:2011、5、10)
5月に出た本だが、第1章から第5章まで、つまりこの本の大半は、3月11日の震災以前に既に書かれていたのではないか。それに「まえがき」と「第6章」の一部を付け足して書いたような感じです。ということは、「震災後の日本」がどうすべきではなく、「震災前の日本」がどうすべきかを主に書いてある。それに「震災」という、さらなる課題が積み重なったのです。「震災前」でも「先送りできなかった」のに、震災でもう一刻の猶予もならない、再出発を切るのはいまだ!と大きな決断を迫っています。しかしこの本が出てから3か月近く、いまだに大きな判断ができずにいるように思えます。いや、「脱原発」など大きな「発言」はしましたが、それを国民に納得のいくような「説明・裏づけ・行動」を取っていない。言うだけ言って、ほったらかし。そんな印象があります。それでは「決断をした」とはいえない。ジリジリと後退を続けているだけに見えます。
世界の流れの中でどう生き残り復興を果たすか、大きな視野で考え、発言し、行動すべきでしょう。
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