新・読書日記 2011_138
『パイプのけむり選集・話』(團伊玖磨、小学館文庫:2011、6、12)
あの「パイプのけむり」の「選集」が、文庫でこの6月に出た!「解説」は、オペラ歌手で團と親交のあった佐藤しのぶさんが「マエストロDANの思い出」として書いているが、これだけでもこの本を読む値打ちあり!團は、戦災で焼け野原になった東京を「花の街」の曲で歌われたような花でいっぱいの街に復興するのだと、あの名曲が生まれた背景・思いを佐藤に語ってくれたという。佐藤は記す、
「2011年の日本を見たら先生はなんとおっしゃるだろう・・・」と。
コラムの中に、その名もズバリ「地震」がある。團は別荘・・・というか書斎を、なんと八丈島に持っていた。本土から遠く離れたその八丈での地震の話など、興味深い話が多い。ただ、そのエッセイが「いつ書かれたか」が記されていないのは大変残念。時代背景は類推するしかない。1964年から2001年の「アサヒグラフ」と巻末に記されているだけで、「そりゃない」よと思った。
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